ep.16 読んで書いて気付いて身に付く筆力、読解力、プレゼン力で自分も育つ

 二〇二三年七月二十七日から八月七日までの期間、公式企画として「レビューを応募して本棚を作ろう」というキャンペーンが行われ、先日、九月六日にその選出結果がカクヨム上で発表された。


 この企画の一番の目玉は、やはり何といってもカクヨム文芸部と銘打つ運営陣が主催し、KADOKAWAの文芸編集部(要するにプロの目)が選ぶという点だ。

 実は、私もこっそりと一本応募していた。


「レビュー投稿するくらい推してる作品教えてちょ!」って理解でいいんですよね !? よっしゃ、どれ行こ——! というノリだったのだが、先走る前に応募規約に目を通しておいて正解だった。


 というのも、すでに書籍化している作品は対象外だと明記されていたので、文芸部の目的としては「プロの目から隠れてしまっていた未発表(未書籍化)有望作品のスコップ」が第一条件だったと認識している。


 私が個人的に最も推している作品は、すでに書籍化しているので(ぜひ映像化が見たい)、それならばと選んだ一本は、自分で言うのもなんだが、とにかく熱量だけは高い(笑)


 レビューはぼちぼち追加しているからストック自体はそれなりにある。

 企画自体も一人で複数応募可能と書いてあったが、それじゃ熱意が分散されるんじゃないかと勝手に危惧して、あえて一本だけ応募した。

 届け、この熱意(念)


 そして、イメージ画像としてサンプルが掲載されていた「トリさんマークの文芸部デジタル部員証」が、めっちゃ可愛くて(あれ欲しい……欲しい……)と若干の煩悩が応募の後押しを手伝った。


 さくっと応募して、相変わらずマイペースにカクヨムライフを謳歌していたところ、先日の結果発表である。


 熱意、届いた!

 推し作品への熱量が伝わった!

 ありがとう、カクヨム文芸部!


 そして、本棚を拝見しに特設ページへ飛べば、これまた公式企画の常連と称して異論のない、またレビュワーとしてもお名前を度々目にする方々がずらりと並んでいて、思わず「おぉー!」と声が出た。

 カクヨムの端っこで小躍りしている、しがないアマチュアである私にとって、揃いも揃った有名人ばかりなのだ、驚きもするし、納得もする。

 むしろ、そんなところに混ざってしまって恐縮している(本音)


 普段あまり読まないジャンルも、やっぱりレビューの熱量でポチッと次読むキープをしてしまうものだ。

(それでなくても現在進行形連載を三十本ほど追っているので、読みが追いつかないのだが、気になるものは気になるのだ)


 今回、応募レビューの選出を担当された文芸編集部W氏の寄稿を拝読していて、改めてプロの着眼点は勉強になると思った次第だ。


 伝える文章構成力。

 ヨムのターゲット層を明確に絞る。

 文章に滲み出る個性。

 それらを総合した視野の広さ。


 今回はレビューなので、読ませるレビュー力に焦点を当てているが、読ませる力とはカク側のスキルだ。

 そのカクスキルは、例え一本のレビューからでも培うことができるし、プロはレビューもそういう視点で捉えている(ここ大事!)


 もう一つ、絶対的に意識したいのは、カクスキルを向上させるために必要な視野の広さ。

 これは即ち、ヨム側を常に意識して文章を構築することを忘れてはいけないということだと理解した。


 カク側として、自分の作品世界に没入するあまり周囲が見えないまま迷走執筆する——あるある。

 自分は作者なので、当然ストーリー展開やコトの次第、キャラクターの心情や相関を理解しているが、それが文章を通してヨム側に伝わっていない——あるある。

 欠落しているのはプレゼン力だ。


 自分の書いた文章を第三者に読んでもらって、公開前に都度フィードバックをもらえるような環境にある人は、この辺りのバランスがまだ取れるのかもしれないが、多くの書き手は「文書作成ツールと私の二人連れ」状態で黙々と作業しているのではないだろうか?


 ここで大事になってくるのは、作者という意識を一旦置いてフラットな頭で文章の構成を判断する読解力だ。

 これが欠落すると「自分の作品、何がアカンのや」と根本課題が理解できずに作品をエタらせることになりかねない。


 意識するのは、ヨム側の視点。

 他人に優しくない文章は、そもそも他人に読んでもらえない。

 カクはヨムがいないと成立しない。


 この基本中の基本を鍛錬する場がレビュー投稿だと考えると、これはなかなか奥が深いなと再確認した次第だ。


 W氏は、末筆を次のように締めている。

「レビューとは、自分に刺さる作品へと導いてくれる灯台のような存在。そんな考えで、今後も書籍化作品を探すときの目印のひとつとさせていただきます。(原文まま)」


 これがプロの声だ。

 何の気なしの一行レビューや星評価だけを投げる行為は、非常に勿体無い悪手と言えるのではないだろうか。


 カクとしての筆力は、読んで書くことで鍛えられる。

 鍛えた底力は文章構成力、読解力、プレゼン力となって自分に返ってくる。


 同時に、レビューを通して培ったカクスキルを淡々と公に示しつつ、投稿内容からヨムとしての一定の(推し作への熱量と両天秤を成す俯瞰した公平さ)と人間性(個性)も総合的に判断されていることを忘るべからず——と自戒するに至った良い経験と相成った。


 ふふ、かわええぞ。トリさんマークの文芸部デジタル部員証、かわええぞ。ふふふ(※底の浅い本音)

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気のみ気のままのアマチュアさん 古博かん @Planet-Eyes_03623

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