ep.15 作品あたりのフォロワー数が鍵となる公式企画始動ですよ

 二〇二三年八月一日いっぴから、カクヨム公式が新しいイベントを打ち立てるもようだ。


 第一回から第三回に渡り、タグに企画参加表明の「真夏の創作祭」を付けた上、一週間ずつのスパンで毎日何かしらの作品更新をすると、公式キャラクターのトリさんノベルティ(全三種類のうちいずれか。全回に参加すれば全種)の抽選対象となるという触れ込みだが、まずは率直に「夏休みだなあ」と感じる(笑)


 若い世代の書き手を量産育成したい思惑が垣間見えるが、なかなかに楽しそうだ。

 とりあえず、「何かしたいけど、何しよ〜?」と思っている諸君はカクきっかけとして、まずは一週間続ける習慣を身に付けるのが吉ということだろう。


 既に枯れかけたイイトシである私は、最近の趣味が断捨離なので(笑)ノベルティには興味はないが、もう少し更新頻度を上げていくこと自体は考えていたので、タイミングとして祭り感覚で乗っかる口実ではある。


 というのも、現在のカクヨムの仕様上、新規作品投稿および更新から閲覧数が伸びるのはせいぜい初日から一週間が限度かなと思っているので、最低でもその頻度で更新をキープするのが人目に付くための第一関門なのだろうと、三年目にしてうっすら思っているからだ。

 その間にいただいた星は、例え一つでももちろんランキングに直結する。

(と言いつつ、元から動きの緩やかなマイナージャンルにどっぷり浸かってるため、実際のところ、順位にそこまで神経を尖らせたりもしていないお気楽勢の戯言だ)


 そんなお気楽勢から見ても、カクヨムランキング及びヨム参加型のコンテストは、とにかく星の数を意識して獲得数を競うという形式なわけだが、サポパス導入以降の公式テコ入れ企画を眺めていると、どうも固定フォロワー総数を重視する傾向が強まったように感じる。

 それも、ただフォローしている人数の集計ではなく、身銭と時間を割いて応援してくれる「アクティブフォロワー数」を——と言及しておきたい。


 作家本人をフォローするのはサポーター含めて大前提だと思うが、今回の一週間毎日連投企画の内容を拝読していてキーと思ったのは「新規登録者の作品フォロワー数」だ。


 ぶっちゃけ、一介のユーザーによる偏見に塗れた小意地の悪い深読みだが、カクヨム運営が求めているのは「未発掘のご新規作家で尚且つ多数の新規フォロワーを自前で獲得できている」作品の内容とその傾向——なのだろうと邪推している。

 私を含めた既存勢であるプロアマを問わないカク陣(しかも一定の年齢を重ねている中堅層)は、今回はおそらく主力としてはお呼びじゃない企画なんだろうな〜などと呑気に動向を注視している。

 ちょうどカクヨム甲子園と時期が被るので、カク&ヨム両方の裾野を広げるためのテコ入れなのだろうなどと考えているわけだ。


 近年、いわゆるWEB小説及びライトノベル部門の若年層離れが著しいなどという話をチラホラ聞くが、カクヨム内でも似たような危機感を露わにしているエッセイにたびたび行き当たるので、日々その辺りの統計を取っている人は数字として体感していることだろう。


 確かに、私の周りでもWEB小説やライトノベルよりもソーシャルゲームに時間とカネを費やしているらしい学生さん——若い世代が比較的目に付く印象だ(フィールドワークで集計したわけではないので、あくまでも私の印象)。

 そういう世代に新規参入してもらいたいという先細る出版業界のキビシイ現状も薄目を開けて見れば、うっすらと透けて見えそうな気もしてくる。


 累積型である星評価には、既に事実上引退してしまった過去のユーザーの置き土産も過分にあることは容易に想像がつく。

 ならば、登録者数百万人をめでたく超えた現在のカクヨムでは、これから重要視するのが「アクティブユーザーに支えられたアクティブ作家が小まめに更新するアクティブな作品」であり、その中で「コンスタントに作品フォロワーが増えているもの」が運営陣の注目株となり得るとの認識で良いのだろう。


 従来の星獲得数一強体制から、アクティブフォロワー数を競う(時間とカネが動いている裾野数勝負)という体制シフトが、そこはかとなく感じられるテコ入れ企画。

 今一度、自分の作品の傾向と動向とフォロワーの体制を見直す良い機会と捉えてみれば、一気に急浮上する作品もあるいは出現するのかもしれない……などと考えてみたりする。

 ヨミが捗る予感がする。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る