ep.14 アクティブユーザーであることの意義とロイヤリティプログラムに参加する理由

 二〇二三年度のKACも無事に終わり、一息ついたところで改めて「アクティブユーザーであること」の意義に思い致しているこの頃だ。


 今更何を、と思う人もいるかもしれない。


 KACに続いて、今回のイベントに付随するカク&ヨムマラソンが引き続き三月いっぱい開催中だが、要するに、このイベント自体が登録ユーザーを「アクティブな状態」にするためのテコ入れと感じているからこそ、今一度、「アクティブ」について振り返りたくなったというわけだ。


 そもそも、カクヨムの端っこで好き勝手に小躍りしている一介のアマチュアである私にとって、「どうしたら基本仕様は無料サービスであるカクヨムそのものに貢献できるか」を考えた時に、たどり着く一つの答えが「アクティブユーザーであり続けること」なのである。


 コンスタントに作品を公開し、エピソード数を増やし、コンテンツの充実を図る傍ら、書き手であり読み手でもある私が、積極的にカクヨム内を泳ぎ回ることで貢献できる具体的な「利益」とは一体何か。


 一つは、登録ユーザーの実質稼働率を上げることにつながる。


 ECでいうところの物流在庫回転率に相当すると考えたら良いだろうか。

 優良なECサイトは必ず販売ページあたりの在庫回転率を計算するものだし、これをしないと売上予測と必要経費のバランスに対する概算を立てられない。


 物販では在庫に当たるものが、カクヨムでは登録ユーザーに置き換えて考えることができる(あくまでも個人的な考え)。


 もうすぐ登録者数百万人に到達する勢いのカクヨムだが、絶対数が増えたから「ばんざーい」では終われない(もちろん、めでたいことではある)。


 例えば、蓋を開けてみたらユーザーの大半が休止、あるいは事実上の引退という実態だったとしたらどうだろう。

 果たして、健全なサイト運営と言えるだろうか。

 無料サービス提供にも当然カネはかかる。

 注視しなければならないのは、分母総数に対する実質稼働率(アクティブユーザー数の割合)なのである。


 もっとも、ソーシャルサービス系で実しやかに、ほんのりと囁かれている五パーセントの法則なるものがある。

 仮に百万人のうち五万人がアクティブであれば御の字、さらにその五万人のうち五パーセントが課金勢になってくれたら御の字、更にそのうちの五パーセントが重課金、廃課金してくれるならサービスが成り立つという「噂」である。

 あくまでも。

 噂の信憑性は、それこそ五パーセント程度と割り切って右から左に受け流しておくのが平和である(個人の主観)


 実際のビジネスシーンにおいて、私がよく言われてきたのは2:8の法則の方だろうか。

 顧客総数の二割で売上の八割を占める(=超お得意ロイヤルカスタマー様々)とか、会社全体の二割は碌な仕事をしない(残り八割=一般社員で十割の仕事を賄う)とか、そんな使い方だったと思う。まあ、余談だ。


 五パーセントにしろ、二割にしろ、分母が大きくなればなるほど割合も増してくる。まずは裾野の絶対数を広げることが不可欠というのは納得の話である。


 ともあれ、給料を対価にコレに従事するのは非常に胃腸によろしくないのだが、趣味を楽しむ気楽なアマチュア無料ユーザーであれば、これくらい喜んで貢献しようという気持ちになる。


 一介のアマチュアがサービスに貢献できる具体的な「利益」二つ目、実質稼働率が上がれば、対外的にも、それだけ優良なサービスと認識してもらえる。

 すると、広告スポンサーが増える。


 ここで効力を発揮してくるのが、実質稼働率に含まれる「ロイヤリティプログラム」参加アクティブ総数だ。


 ご存知、カクヨム内の換金システムの一つだが、実際のところロイヤリティプログラムに参加するのに、必ずしも口座登録は必要ない。

 プロフィール編集画面のロイヤリティプログラム項目でラジオボタンを参加で選択、各作品ページで広告表示しておけば完了である。

 Amazonギフト(五〇〇円から)が換金項目に参戦してからは、尚更、口座登録の必要性が希薄になった感さえする。


 ここで、ロイヤリティプログラムの仕組みをさらっと確認しておきたい。


 広告表示ページがプレビューされた時点でカウントが始まり、月末締めでプレビュー数に対するアドスコアが付与される。

 計算方法は開示されていないが、一エピソードあたりの「適切な」文字数が加味されて、場合によっては割り増し計算されているらしい。

 一説ではおよそ二三〇〇文字以上、四〇〇〇文字前後までが最もコスパが良いとエッセイで報告している他ユーザーもいたので、参考程度に。


 アドスコアを元に、およそ二ヶ月のタイムラグを経てリワードが付与される。

 公式の説明では作家七割、カクヨム三割の計算で記載されていたかと思うが、一リワード=一円の換算で、Amazonギフトなら下限五〇〇円から、現金なら下限三〇〇〇円から換金可能となる。


 ここで注目したいのが、付与されたリワードは、その時点ではあくまでも「換金するを付与された」だけであるという点だ。下限に満たなければ、それはただの数字でしかない。

 広告スポンサーからの収益十割が、一度カクヨムに丸ごと入るという構造が大事というわけだ。

 我々ユーザーは、その分け前をいただく「権利」を月次ごとの分割で与えられているに過ぎない。


 たかが、一介のアマチュア。

 されど、アクティブなアマチュア。


 書籍化など夢のまた夢(そもそも夢すら見ていない)という私のような、書いて読み回るユーザーがアクティブの八割を占めたら、それはそれで馬力のある縁の下の力持ちたり得るのである。

 その馬力のための小さな歯車として、サービスに貢献するためのロイヤリティプログラム参加という選択だ。


 もちろん、条件を満たせばありがたく換金させていただく所存だが、将来的なサービスの拡充を期待する気持ちの方が現状では大きい。


 その過程で、一杯のコーヒー代が捻出できれば基本満足(いずれブレンドからブルマンへというささやかな野望は持っている・笑)という、アクティブユーザーであり続けるためのモチベーションとしてのロイヤリティプログラム参加。


 こういう考え方のユーザーも端っこの方に存在しているのである。

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