第10話 終わった
終わったと思った時に作るやけくそハンバーグ、が話題になっています。買ってきた合いびき肉をトレイから出し、そのままフライパンで焼く。みじん切りの玉ねぎなどは入れない。
手抜きと言わないで、終わったとか、やけくそというところが面白いと思いました。私は何年か前から、そうしています。ということは、私は終わっているのでしょうか?
初めてやった時のことは覚えています。面倒だな、肉だけでもいいんじゃない? そう思ったからです。夫は黙って食べました。感想など聞くのは藪蛇なので、こちらも沈黙。
何かが終わったとか、終わりにしようとか思った時、人は、その人の気が済むようなやりかたで決意表明みたいな儀式をすることもあるようです。
でも、断念や決意をしてからも、細々と続いたり、再開したりしながら時が過ぎていくこともあります。
怖いのは、やめたくてもやめられないという依存症で、決意や儀式ぐらいでは止まりません。
また、自分では切れたと思っている人間関係でも、相手が「終わってねーぞっ!」とリベンジを決意している場合も、終われません。
友人が、私の文章について、「あんたは完を打つのが早すぎる。もっとねばれ」と言ってくれます。
読み始めたら止まらないというような、面白いものが書けるのならそうしたいのですが、今は、残念ながら……。
愚痴の効用とでもいうのか、ぐだぐだいう人のほうが長続きするような気もします。我ながらみっともないなーと恥じながらも、ガス抜きをしていくほうがキレなくてすむのかもしれません。
駄菓子屋 @rasutodannsu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。駄菓子屋の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます