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「君、誰?」
その男子高校生はその綺麗な顔をしかめながら真里亞にいった。
「あ、ごめんなさい。えっと私は……」
と言って、真里亞は荻野マリアという自分の名前と学年。それから自分の教室をその男子高校生に言った。
その真里亞の言葉を聞いてその男子高校生は「なんだ。一年生。後輩か。その見慣れない後輩が誰もいない新聞部の部室でなにをしているの?」
……興味ない、と言ったような顔をして(自分から聞いておいて)その男子高校生は新聞部の部室の中を歩きながら真里亞に言う。
真里亞はそんなそっけない男子高校生の顔を少し怒った顔をしながら、追いかけるようにして見ている。
「えっと、勝手に入ってすみません。それで、先輩。先輩の名前はなんて言うんですか?」と真里亞はいう。
おそらくは新聞部に所属しているだろう、先輩はちらっと真里亞を顔を見て、またすぐにその視線を逸らして、新聞部の中にあるパイプ椅子に座る。
それからもう一度、真里亞の顔を見て、「巡。西山巡。東山高校の三年生。この新聞の部長をしているものだよ」と小さく笑って、真里亞に言った。
土星の輪の消失 雨世界 @amesekai
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