超悲報！チョコの王冠どんぶらこ

しょうもない本編

お題（チョコ俳句スロット）

・超悲報 チョコの王冠 どんぶらこ

・オッスオラ チョコの概念 背負い投げ

・汗ばんだ チョコの妖精 ヴェポラップ

・一斉に チョコの王冠 背負い投げ

・赤い糸 夢だったのか ノンシュガー

・ぼくのチョコ すっぽんぽんで サイコパス

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「好きです、受け取ってください！」

・・・

・・

・

「――って感じで押し付けられて」

「マジかよ！」

「でも残念ながら彼女に興味は無くて……伝える前にどこか行ってしまったんだけど」

「それで手元にそのプレゼントボックスが残ったと……。しかしわりかし大きいな、重さも結構あるみたいだ」

「ここから始まる恋もあるかな？」

「お前次第かなあ……」

「まあいいや、とりあえず開けてみよう」

「マイペースだな……」

ﾊﾟｶｯ

＼ｺﾝﾆﾁﾜ／

　 👑

「わ、王冠だ」

「すごい力作だな……。軽くパティシエレベルじゃないのか」

「チョコレートの概念背負い投げって感じだね」

「マジで《一本》どころじゃないぞ、写真写真……」

「この宝石みたいな飾りがすごいよね、いっぱいついてて……色も透き通ってて本物みたいで」

「そりゃ無理矢理にでも受け取ってほしくなるわな」

「だね――あっすごい、内側の方もなにか文字が」

ｺﾛｯ……

「あっ」

ｺﾛ

ｺﾛｺﾛ

ｺﾛｺﾛｺﾛ

ｺﾛｺﾛｺﾛｺﾛ

ｺﾛｺﾛｺﾛｺﾛｺﾛ

ｺﾛｺﾛｺﾛｺﾛｺﾛｺﾛ……

ﾎﾟﾁｬｯ

「「 ！ 」」

ﾄﾞﾝﾌﾞﾗｺｯｺ……ﾄﾞﾝﾌﾞﾗｺ……

「つい河川敷で開封してしまったばっかりに」

「すげえどんぶらこしてる！！！ ええと、網とか……どこかに引っ掛かってくれたりとか」

「とりあえず行けるところまで追いかけよう」

ﾏﾃｰｯ🏃🏃💨

─────

👑 🌊🌊🌊

─────

ﾌﾞｸﾌﾞｸﾌﾞｸﾌﾞｸ……

「あー」

「ダメだったか……」

「……待って、なんか底の方すごい光ってない？」

「本当だ――うわっ」

ﾊﾞｼｬｱｱｱｱ……

『ヒトの子よ……』

「なにこの……何？」

「なんかヤベエの出てきた！」

『私はチョコレートの妖精、ヴェポラップ……』

「ヴェポラップ」

「なんかめちゃくちゃスースーしそう！」

「ミントチョコレートだったのか……」

「そういう解釈する！？」

『そなたらが落としたのはこの金の王冠か？ それともこの銀の王冠だろうか』

「聞いたことある展開だな」

「なんか王冠微妙に濡れてない？」

「水の中から出てきたし水滴かも」

『……それは手汗だ』

「手汗」

「きったな！？」

『……それはそうとヒトの子らよ、今しがた落としたのはこの金の王冠と銀の王冠――』

「あ、えっと違くて、チョコレートで出来た――」

「おいお前、正直に答えてもさ……」

『よろしい、正直者にはこの金の王冠と銀の王冠、両方とも差し上げよう』

「いや、チョコレートの……まあいいか」

「ほら言ったじゃん――こういう場合どうするのが正解なんだろうな？」

『どうぞ』

「あ、はい……あー、めっちゃ手汗ついてる……」

「きったな！！！」

「まあ、貰うのは貰っておくけど……。ほら、川に直ポチャしたチョコ返してもらってもさ、真面目に考えたら菌とか怖くて食べられなくない？ 追いかけといてなんだけど」

「しっかりしてんなあ」

「それにチョコレート落として戻ってきたのが金と銀ならむしろお得かもだし」

「しっかりしてんなあ……」

『めくるとチョコレートが入っておる』

「あれ包み紙なんだ」

「金貨チョコみたいなこと！！？」

『さあ受け取るがいい、私もこの姿を保てる時間がもう残されていないのだ』

「じゃあ……あ、これ2個持つのキツいな……。ずっしりしてるし、手汗で滑るし」

「地味に嫌だな！？ ……えーと、とりあえずティッシュで拭いとくか。ちょっとこっち向けてくれる？」

「そうだね、じゃあお願いして――あっ」

ﾂﾙｯ

「手汗！！！」

ﾎﾟﾁｬｯ……

ﾊﾟｱｱｱｱｯ

『私はチョコレートの妖精ヴィックス……』

「兄弟なの？」

「なんだチョコレートの妖精がヴィックスとヴェポラップって、カカオとかなんかもうちょっとあるだろ」

『あなたが落としたのはこの――……』

・

・

・

・

・

「……という夢を見たんだ」

「夢オチかい！」

「ここから本題なんだけど、件の彼女からこんなものを渡されてね」

「すごいデジャヴにも程があるな」

「気にならない？」

「たしかに……夢と同じ展開が、って言われたら気にはなっちゃうけど」

「《好きです》とは言われなかったけどね。上手くできたから受け取って、って一方的に押し付けられた」

「……照れ隠しみたいな？」

「なんか他の人にも渡しに行くって、リアカー引いてダッシュしてったよ」

「リアカー！！？」

「ドリームキャストいかがっすかー」

「相当やべえ女だな……」

「話を戻すとね、一人で開けるのも勿体無いし……是非ここは君に立ち会ってもらえればと」

「相手の意図がどうにしろ、一応こういうのって一人で開けるもんじゃないのか……？ いや、でもこれだけすごそうなら他人（ひと）呼びたくなるのもなんか分かるわ」

「今度は公園だから水落ち対策もバッチリ、落ちてもまあ3秒以内に回収すれば大丈夫だろうし」

「このサイズ感ならトンビもさすがに持っていけないしな」

「じゃあそろそろ開けてみようか」

「ごくり」

ﾊﾟｶｯ

「これは……チョコで作った……」

「お前の………………裸像…………！？」

（おわり）