光代と亮平の最初の約束。
18番の背番号。
2人の願いは叶う。
でもこの夏が最後。最初で最後。
2人の思いは夏の終わりまで封印。
最後にバッターとスタンドのアップ。
2人の願いは叶っている。
でもこのまま終わらせたくはない。
結果は残酷。
だけど2人の結果はそれだけじゃない。
それは周りのみんながわかってる。
それはずっと思い描いてきた通りの最高の夏。
夏は終わったけど、2人の関係はそこで終わりじゃない。
と、少し涙を浮かべながら書きなぐっていました。
素晴らしい作品であると思います。
1年2年の頃にあったことや周りの応援者とかが出てくるだけで充分大作になれるのではないかと期待します。
「光代を甲子園に連れて行きたい」。そう中村光代へ言ったのは、お隣さんで同い年の野球少年、遠藤亮平だった。かくて彼は高校で野球部へ入部し、光代はそんな彼を応援したいと心を決めてチアリーディング部の門を叩いたのだが、しかし……!
というわけで、図式的には超有名高校野球漫画な感じなのですが、ここで設定がいい感じですとんと落ちます。亮平くん、なんとベンチ入りもままならない補欠なんですねぇ。しかも、彼を応援する光代さんは努力が認められて先へ行ってしまうのですよ。いっしょにがんばるからこそ映えるはずの関係性に格差をつけることでもたらされる、なんともじりじりした緊張感、たまりませんね!
その後も季節を重ね、互いの立場が変わるにつれて、光代さんと亮平くんの距離感、その微妙な均衡が揺れ動きます。そのなんとも甘々でカユカユな感じ、まさに青春ですよ!
文量はコンパクトながら起伏豊かに仕上げられた物語、あなたの心のど真ん中に突き刺さること保証いたします!
(「春だからスタート!」4選/文=髙橋 剛)