1ー4 水流管理者

ティモが故郷のソーヤ村を出て1ヶ月が過ぎた。


道中は実に順調で、時に食料性生物を狩り、時に立ち寄った村々で食事をしながら進んでいた。


そして今、隣を歩いているのが、エリン・クリモア、最後に立ち寄った村から同行している同志である。

とはいえ、彼女も都市開発士を目指しているという訳ではない。


ティモは、都市工学学院の都市開発科で学び都市開発士を目指すが、彼女、エリンは同学院の水流管理科で学び、水流管理者を目指すという。



水流管理者は都市開発士と共に都市開発になくてはならない存在である。


まず、都市開発士とは大まかに言えば、都市全体の機能を設計する資格である。

級によって開発できる都市の最大サイズが制限されているが、基本的にどの級でもやることは同じ。


都市全体の動力を司る水車や動力塔の設計。

この設計には配置も含まれ、どのように動力線フシクラゲの触腕を張れば、効率良く都市全体に動力を行き渡らせることができるか、どこに動力塔を建てれば都市の拡張時に動力線を増設しやすいか、などを総合的に設計する。


また、道路や公用地の設計も仕事の内である。



対して水流管理者は家の設計者。

家という閉鎖空間で生活する以上、水流によって屋内の水を外と循環させなければ酸素不足で死んでしまう。

そのため、動力塔から受け取った動力はまず最優先でファンに回され、このファンによって屋外から流入した水流を家中を循環するようにしつつ部屋割りや内装デザイン、排水口の位置やサイズを設計するのが仕事である。



都市開発士と水流管理者。

新しい都市の開発者となるべく学舎を目指す者同士、旅を共にしようという運びとなったのであった。

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特級都市開発士 @KureyonP

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