第5話 戸籍登録したので本格的に動きます

 神様の加護を確認し教会を出た僕はカンジュさんと合流し直ぐに関所へ行った。


 面倒臭い手続きとかは文字の書けない僕じゃ無理だからカンジュさんにしてもらって、僕は名前と指に赤いインクを付けて指紋のサインをポンポン押す作業だけやった。


 そんで戸籍登録の申請はカンジュさんの信頼が厚いのか通常2ヶ月は仮登録の所を1発で初日から本登録させてもらえた。


 仮登録中は街の中域層以上に行けないらしいから助かる。


 あ、中域層ってゆうのは街の区画分けのことだ。


 街を囲む門から中心の貴族区まで四等分に分けられ其々の間には少し深めの溝が掘られてて、コレがどうゆう仕掛けか許可証上入れない人物が通ると金縛り状態になり同時に騎士団へ連絡が行くから数秒すると多額の罰金が請求されてから解放されるらしい。


 そして区画分けは初域層、中域層、上域層、貴族区。


 僕が貰った戸籍の本登録証なら上域層までは入れる。


 貴族区に入る時は許可が必要で、例えば領主とかその他権限のある貴族たち、あと資金力の高い人間は貴族区の許可書を関所で発行することができる。


 まあ別に用もないし権限も無いしでどうだっていい話なんだけどな。


 更に4つの区分け以外にも幾つかの区がある。


 というか其々の層に商業区とかギルド区域がある。


 そうゆう区分けを覚えるとかなり複雑な構造をしているみたいだ。


 と、ゆう情報を僕は向かいながらカンジュさんに教えてもらった。


 そして僕は今ギルド区域にいる。


 此処には店の組合本部とか騎士団の拠点や支部、他には個人経営の小さな組織や何でもやみたいな組織もあって、僕が来てるのは騎士団の支部だった。


 と言うのもカンジュさんの正体、とゆうか仕事が騎士団の警備員らしい。


 警備部第三隊の副隊長、別に高くもなければ低くも無い地味な役職だってカンジュさんは言ってたけど響きを聞く分にはそこそこ権限もありそうな役職に感じる。


 まあでも組織支部の一部隊の2番目って考えると否定はできない気がする。


 まあそう入っても支部の場所は上域層だし悪く無いんじゃ無いか?


 まあ助けられてる身で上から目線な気もするから口には出せないけど。


 んで、話を戻すと僕が騎士団の支部に来た理由だが、、、


 コレは単純、働かざる者食うべからずって事だ。


 流石に他人の居候無職を抱えるほど資金に余裕はない、とカンジュさんが言ってた。


 そんな訳で僕から提案したのが騎士団入り。



「あら? カンジュさんじゃないですか〜 そちらの方は?」


「やあ、ご無沙汰してるねイオリさん。 彼はジェンター、俺の知人だ。 縁あって一緒暮らすことになったので折角だから騎士団に入団してもらおうかと思ったんです。 俺の隊に入れてくれれば大丈夫なんで手続き頼みます」


「縁あって、ですか。 聞いてますよ? 戦地で異国人を拾ったんですよね?」


「ありゃ? バレちゃったか〜 いやね、記憶がないらしいから取り敢えず定職でも提供してあげようかと思ってさ!」


「、、、大丈夫なんですか?」


「? 大丈夫って、何が?」


「彼、悪魔種の上位個体とゆう可能性はありませんか?」


「ん〜、わからないけど〜 まあ言えるのは可能性で言えば殆どゼロってことかな。 知性ある悪魔が身分証の用意もない人間に取り憑いて無防備に気絶する、なんて度胸のあることしないだろ? それに何より、悪魔連中が教会に出向くはずがない」


「まあソレはそうなんですが、、、 でも気を付けてくださいね? 彼に疑いがかかるとカンジュさんにも疑惑がかけられるんですから」


「心配ありがとう、でも今日は急ぎなんだ。 出来れば早めに手続きを済ませたい」


「あ、そうですね。 失礼しました、え〜っと、ジェンターさんですね?」


「ん? ああ、そうだね」



 小声で話していた受付の女性が僕に声をかける。


 声が小さくてよく分からなかったけど僕警戒されてるっぽかったな〜



「では登録を始めますので身分証明の出来るものはありますか?」


「えっと、あ、コレでいいですか?」



 僕は言ってポケットに入れていた身分証を出しカウンターに置いた。


 挟んで向こうの女性は無表情に「では、お預かりします」と言ってカードを取るとパソコンの横に挿してキーボードを叩き始めた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

チート能力もらったので宝具を集めます @taranagani

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ