第2話やはり隠キャは負け組か、、

朝になった。俺はベットに置きっぱなしのスマホを手に取ってアラームを止めようとした。

「ん?え、えぇ!?」

俺は涼からきたメールに驚き大声をだしてしまった。なんて言ったってあの涼からメールがきたしかも土曜日になんかの誘いだと言う。謎だ。

俺は「土曜日?空いてるけどどうしたの?」と打ちこんだがなかなか送れなかった。LIN●なんて家族間でしかしてこなかった俺は本当にこんな文章でいいのか?とつい自問してしまった。

「どしたのー」

俺は急に入ってきた妹に驚きつい本能的に布団の中にスマホを隠した。妹はなんとも眠そうだ。俺は誤魔化すために聞いた。

「お前こそどうしたんだ?」

「だってお兄ちゃん急に叫んだからビックリして」

まぁそうだよな。よかったよかった妹に俺の心を読み取る能力とかなくて。

「もしかして昨日の女の子?まさか本当に彼女だったの」

妹が布団の中に入れている怪しい手と漏れる光をじっと見て言った。

うん。もう完全にバレてるな、、。

「はぁー。釣り合うと思うか?こんな俺と」

俺はため息を吐きながら言った。自分で言ってて悲しくなるぜ。

「あぁー確かに。前一瞬写真見たけど綺麗だったよねー」

妹よ。たまにはお世辞を言ってくれてもいいんだぞ。ハッキリ言うなよ、、、。

「わかったら部屋から出ろ」

「はぁーい」

と言ってバタンっとドアを閉めた。

「今日学校で聞かないと、、、。」

俺はまた騒がしい1日が始まるのかとため息をついた。


俺は家を出てもう少しで校門、と言うところで声をかけられた。

「竜也くーんおっはー」

ハイテンションで手を涼が振ってきた。俺はそっちを向き「おはよう」と答えた。頼むから今日こそは安定したスローライフを送らさせてくれよな。

「あのさー明日なんだけど皆んなで映画に行こーて話なんだけどね行くでしょ?。コレ映画の前売りチケット。」

と言ってチケットを渡してきた。ん?皆んなで?。そう俺は勘違いをしていた。

2人で遊びに行くと、、、。そりゃそうか。相手は学校のアイドル、俺と2人で遊びに行くなんてあるはずないか。

「あ、ありがとう」

俺はチケットをじっくりと複雑な気持ちで見つめる。

「一緒に行くメンバーは明日、当日に現地で言うから!」

そう言うと涼は他の女子に喋りに行ってしまった。


〜当日〜

俺は約束の時間より十分早く待ち合わせのショッポングモールにいった。俺なりにファッションなるものに手を入れてみた。自分の姿を店のガラスで確認した。

俺は髪を「もう少しこうか?」とか言いながらいじっていた。

「はぁはぁ。お待たせー」

と走って来たのか息を切らして涼が来た。

「いやさっき来たところ。ところで他の人は?」

俺は小説や漫画によくあるセリフを引用していった。

「あ、来た来た!?」

と言って涼が手を振った。その先には班の和樹と霞が一緒に歩いて来た。

「おっひさーー」

と女子達が手を合わせてハイタッチをした。

「もう1人って竜也の事だったのか?」

和樹が聞く。そう俺だよ俺、隠キャの俺。

「そうそうもう1人は竜也くんだよ。なんか不満?」

と言って笑った。いや顔は笑っていない。恐らく俺の肩を持ってくれているのだろう。

「いや別にそう言うわけじゃなくてだな」

と和樹が下を向いて言った。

「じゃあ行こっか」

と言うと皆んな前を向いて歩いていった。いや、どこに行くの?知らされてないんだけど、、、。俺は皆んなについていってまずは服屋に行った。と言うのもこのショッピングモールに行くことは滅多にないらしくこの期に女子達はここの服を買っておきたかった様だ。

「ねえコレなんてどう?」

と霞が試着した服を着て言った。涼は和樹と先に会計に行っているそうだ。

「ねえ知ってる?実は和樹と涼付き合ってるんだって」

唐突に言った事にびっくりしてつい大声が出てしまった。

「つ、付き合ってる!?」

俺が大声で言うと周りの客が一斉にこっちを向いた。

「っしーーー。声がでかいってー」

と霞が口に人差し指を当てていった。

「ごめん」

俺は小さい声で謝った。それにしても和樹と涼が付き合っている?マジかよ。

となぜか凹む自分がいた。

「ねえこのままあの人たちをいい雰囲気にさせて私達は先に映画館に行ってポップコーンでも頼んどこーよ」

と耳に小声で言って来た。

「あぁまあいいけど。どうやって合流するんだ?」

俺も同様霞の耳に小声で言った。

「そんなの後でLIN●で連絡すればいいじゃん」

とスマホを見せて言った。

「じゃあ行くか」

俺と霞はそう言って服屋を出た。クッ、「リア充め爆破しろ」とまるで中学生の様なことを頭の中で言った。

10分後

「何味が良い?」

と尋ねてみた。なかなか1体1の会話と言うのは隠キャかつコミュ障の俺にはラスボス級だった。しかも女子これ以上の会話のしにくさは無い。

「じゃあキャラメル味でお願い」

と言われた。ほとんど並ばずにポップコーンを変えたので結構ラッキーだった。

俺と霞はポップコーンを持って先に映画館の席に座って待つ事にした。偶然にも俺と霞が隣だった。いやそうではない。コレは推測に過ぎないが和樹と涼が隣に座る様にされていたんだろう。クソ、何故俺を呼んだ。行くんなら2で行けよ。

「それにしてもいつ付き合ったんだ?」

俺はポップコーンをつまみながら聞いた。まだ入学して2ヶ月。付き合う事に違和感を抱いた。

「塾が一緒だったらしいよ」

そうか塾か。ならその塾をぶっ壊そう。俺はこぶしに力を入れて我慢した。。

「おっまたー」

と涼と和樹が袋を持ってやって来た。ちなみに」この「おっまたー」と言うのは、「お待たせ」と言う事だ。

「どうして先に行ったのー?」

「お前らの事を思ってだ。リア充め」と言うことは流石にやめておいた。

すると霞が喋りに始めた。

「いやーキミ達のお熱い熱を覚さないためにねえ。」

「ウッソまさかだけど竜也くんには言ってないよね?」

うん、聞いたよ。超リア充なんだって?早く爆破すればいいのに。

「ごめん言っちゃった」

おい、言うなよそれ明らかに爆弾だろ。

「まぁ霞だしいっか」

とあきれる様に言った。和樹と涼が席に座り楽しそーに喋っていた。照明が消えて映画が始まったが頭の混乱であまり内容が入らなかった。













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隠キャは何故か恋をしない ルブブ @rububu

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