第2話
探し物は落ちてない。元の場所にしか見つからない。倒れもせず、動けもせず、ただそこに取り残されて、どうしたらいいのかわからないで俯く君に、膝の高さまで大きくなったハツカネズミが、君が怖くならないようにと、その赤く充血した目に気付かせてはあげないように、カーテンの向こうを向いたままでいる。救急車に電話したくても、赤く表示された圏外マークが目に付くだけで通じない。落ち着いて電話をかけ直したところで、どうしたのか聞かれた君は、間違えてかけたと嘘をつく。
アプリを閉じた後の画面にうっすらと映るネズミの目。君も今日から仲間入り。
君はいつだって、ただ誰かと話がしてみたかっただけなんだよね。わるいこね。
真っ赤な嘘 ohne Warum| @mir_ewig
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