第2話 そんなこんなで
「おい、ゆき、
「うーん?なんだ僕の眷属よ、それにしても今年は暑いなー?何もしていないと言うのにこれだけ僕の体を消耗させるとはこの世界の燃える恒星というものもなかなかやるものだ…
「このくそ暑いのに両手に包帯ぐるぐる巻きにしてたらそりゃあついわ!
季節は高1の夏、俺たちが通っている高校は校則がそんなに厳しくなく、男子は大抵ブレザーを膝まで曲げて、上はシャツ一枚、女子は少し茶色がかったブレザーで下は紺のスカート、一般的な普通の高校生って感じだ。
だがこの女、中野ゆきは真夏にもかかわらず自分の腕を白い包帯で巻き、下のスカートの腿から腰掛けてまでこちらも包帯で覆っている、見ているだけで暑い…
「仕方なかろう、これがなければお前死んでいるぞ?
彼女はふん、感謝しろよ?といったドヤ顔でこちらを見てきた、ここで反応してしまうと封印がどうたらこうたらと長い説明が始まってしまうのでスルーが安定だ
「中野さんあつくないのー?
「暑い?笑わせるなよ?僕の肌はたとえ一千度の灼熱に焼かれようとも、何も感じないそう!なぜなら…
「そう、そうなんだ!…あ、くぅちゃんちょっとこの前の…
クラスの女の子はくうちゃんとやらのところに行ってしまった
「なんだ、つまらん、せっかく僕の絶対防御壁について解説してやろうと思ったのに…
「ゆき、お前本当にぶれないよな…
普段からゆきはこんな感じだが、結構モテる、いわゆる残念系美少女だ
髪は黒髪で耳たぶくらいまでのショートヘアー、綺麗な肌に、形のいい眉、極め付けはそのスタイルの良さ、学校では恥ずかしいのか胸に包帯を巻いているようだがそれでも、同じクラスメイトの中ではダントツでデカイと思う。
「なぁー、それ治す気はないのか?
「何をだ?
「中二病だよ!俺たちもう高校生だぞ!そろそろ卒業しとかないと来るべき時が来た時お前は絶対後悔するぞ!ソースはおれだ…
「ふん、あいにくと僕は疫病耐性をもっていてな、病にはかからんのだ…
その時教室のスピーカーから呼び出しが入った。
「一年二組の宮下ゆうとくん、中野ゆきさん、今すぐ職員室に来てください。繰り返します…
俺は何事かと思い、教室を後にするのだった…
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