どいつもこいつも

白川津 中々

 他者が気に入らない心境に陥るとなんとも生きづらい。


 何故だか最近目で見るもの耳で聞くもの全てに嫌悪感が湧く。流行り物もそうなのだが、世に蔓延している思考や思想。例えば、自分らしさとか頑張らない事を過剰に肯定するような声に反対的な感情が生まれる。何故かと問われると言語化できないが、ともかく腹が立って仕方ないのだ。


 しかし、かといって精神論を押し付けてくる輩や、世の中甘くないなどと吐いてくる成果主義者にも苛立ちを隠せない。なんでも自己責任などと謳う連中など論外だ。奴らは国家の意義を理解していない無知極まりない阿呆であるからしてすべからく腹を切って死ぬべきである。


 いかん。また発作だ。気を抜くと怒りで我を忘れてしまう。


 ともかく今の世界が気に入らない。これは今の生活に満足していないからか追い込まれているから。どっちにしても今の俺の起因している事象である事には変わりないだろう。だがこんな世の中が、極論ばかりが尊ばれる世界がどうしてできあがってしまったのか。俺は不思議で仕方がない。



 思えばこういう事は昔から言われてきた。確か中国の故事に、白髪だからといって冠は乗せられないぞみたいな故事があったようななかったような。年寄り目線で言うと当然、これだから今時の若者。だろう。なんだ。人類昔から愚かだな。


 そう思うと気が楽になる反面、憂鬱になる。どうせ向こう千年は、変わらず愚かなままなのだろうから。


 あぁ、生きづらい。

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