人物③ ヴェヌス・セキュリティの人々

 ヴェヌス・セキュリティ(Venus Security S.r.l)


 アルテラシティ「トリノ」アントネルリ地区2番街7に所在する民間警備会社。(第2部終了時点で)創立もうすぐ10周年、社員数は10名。警備用ロードリフター7機とトレーラー2隻を擁する機械化警備会社だが、通常警備も担当する。担当範囲は地球系全域で、火星・金星アルテラは担当外。総合警備会社だが警備スタッフが7人しかおらず結構業務スケジュールはギリギリで、社長をはじめ総務はやり繰りに苦労している。





 グレン・リーブス(Glenn Reeves)


 ヴェヌスセキュリティ社長。小男で冴えない風貌だが、実は元第1アルテラ統合警察軍の幹部で伝説的な捜査官だった。約10年前に退職してヴェヌスセキュリティを設立し、武力ではない、犠牲を生まない警備活動を行うことをポリシーとして活動してきた。警察軍では100年に一人の傑物との評価だったが、内部での勢力争いにより当局を追われた過去がある。その時の因縁は巡り巡ってテロ組織「クライン」の勃興にも関連があるという……。



 ルツ・ニャンガウ(Ruth Nyangau)


 ヴェヌス経理主任、豪腕の黒人オバちゃん。愛称はルーシー。ヴェヌスの金庫番で、パイロットたちの天敵。だがナージャのことは実の娘のように可愛がっている。

 出動前のパイロットたちにベタベタスキンシップするのでウザがられているが、過去に紛争で夫と子供たちを一度に失った経験があり、家族同然に思っているヴェヌスのスタッフが生きて帰ってこれるように愛情を注いでいるつもりなのだそうだ。



 ケイリー・タカヒロ・マツダ(Cary-Takahiro Matsuda)


 ヴェヌス行動班長、現場責任者。実直な性格。ヴェヌスセキュリティ創設時の3人のメンバーの一人。元軍人で凄腕のベテラン、ヴェヌス内で体術でナージャに勝てる唯一の存在だが、その内すぐに追い抜かれてしまうだろうということを肌で自覚しており、ナージャには期待をかけている。

 過去に傭兵として各地で活動していた経歴があり、その時のコネクションがヴェヌス設立にも大いに関連している。現在も個人的な情報網を広く持つ。



 レイモン・ヌブー(Raymond Neveux)


 ヴェヌスセキュリティのパイロット。ポジションは制圧・拘束担当。ナージャの入社前まで突撃要員だった、いわゆる斬り込み隊長。元ボクサーでガッチリした体格。格闘スタイルはボクサー時代も含め、ピーカブースタイルで攻撃に耐えて肉薄し必殺の一撃を叩き込む。ナージャを真っ先に口説いたのは彼だがあえなく断られ、その上格闘訓練でも投げ飛ばされて面目が潰れる。だが彼女の実力は認めていて、突撃要員を譲るなどちゃんと判断力はある。

 ガーゴのことは小僧だと思っているが彼の整備の腕前を目の当たりにし、認めざるを得なくなる。が、彼とナージャの仲に納得はしていなかった。今では和解している模様。



 ジョージ・バード(George Byrd)


 ヴェヌスセキュリティのパイロット、担当は遊撃要員ランナバウト。パイロットの中では一番インテリ気質でメカに強く、ヴェヌスにおけるリフターやトレーラー等の機材の管理を務めている。整備会社であるモリナーリとの窓口役であるが、他のパイロットのメカ音痴&メカ粗末に頭を悩ましている。班長を除くと彼だけがナージャを口説かなかった人物だが、理由は彼がGゲイであるため。



 サンドロ・コローニ(Sandro Coloni)


 ヴェヌスセキュリティのパイロット。担当は指揮索敵。早期警戒機のビューボを任され、班長に代わって指揮を執る役目として信頼されているが、本人はとんでもない女好きで、ナージャが同乗した業務では現場への行き帰りの道中ずっと彼女を口説いていたという。ナージャに限らず女性との艶話に事欠かず、出動するアルテラ都市のほぼすべてに彼女がいるという噂あり。



 ウォーレン・バンクス(Warren Banks Ⅶ)


 遠距離支援担当のパイロット。ヴェヌス行動班のサブリーダー的立場。飄々とした性格の皮肉屋で、入社前は反社会的勢力に所属していた噂もある。やる気の感じられない言動ながらその洞察力と腕前は鋭く、問題だらけの態度にも拘らずケイリー班長の信頼は実に厚い。実は生き物好きで複数ペットを飼っていた経験がある。一応、ナージャにコナをかけていたが、単にからかっていた程度(内容はセクハラであり、叩きのめされた)。



 イスマイル・ハミード(Ismail Hamid)


 ヴェヌスセキュリティのパイロット。当初は突撃要員のレイモンの後方でバックアップする制圧担当だったが、任務中の爆弾テロで重傷を負い戦線離脱。これにより班内での配置転換が行われ、さらにナージャの戦力化が前倒しで強行された。

 職場復帰後は遊撃要員として任務にあたる。人柄は明るいムードメーカーで、ナージャを除けばヴェヌス最年少。勿論ナージャに好意を向けていたが、復帰後にナージャとガーゴの仲がかなり進んでいることにショックを受けていた。今は2人の関係に一番理解がある。



 クルト・マイヌンガー(Kurt Meinunger)


 ヴェヌスセキュリティ総務担当。簡単に云うと交渉役。依頼主との条件交渉は彼が取り仕切る。彼には社長すら頭が上がらない影のボス。ヴェヌスではルーシーと彼だけが現場に出ない裏方だが、恐ろしく切れ者のタフネゴシエーターで、ルーシーとのタッグは「モンスターチーム」と呼ばれ業界内で恐れられている。元警察官僚で業界の表も裏も知り尽くす。勤務中は悪魔のように冷徹だが、実は父子家庭で1人娘には砂糖菓子のように甘い親バカだという。



 ジェームズ・ルーベン(James Reuben)


 ヴェヌス・セキュリティの契約顧問弁護士。グレン社長とはほぼ創設時からの付き合いで盟友。スタッフたちからも家族のように親しまれているが、若い頃は悪徳弁護士で倫理観のカケラもない民衆の敵だったらしい。法的知識を活かして時に危ない橋を渡るヴェヌスの経営をサポートしている。

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