第2章 ドラゴンパークのその先に

第23話 大人と子供の境界線

 大人になれたのはいつの頃からだろうか。

 背が伸びてジェットコースターに乗れるようになった時は大人に近づいたと感じたし、子供は見てはダメだと言われたものをこっそり見て大人の階段を登った気になったりもした。大人になれば口うるさく叱られず、自分が好きな時にいくらでもゲームができて、おやつも食べ放題だと思っていた。

 けれど歳をとるにつれ、現実はそんなに甘いものではないと分かり、社会にでる恐怖から大人になりたくないなんて言っているうちに、甲子園で活躍する球児たちからどんどん年が離れ、マンガやゲームに出てくる大人のキャラの年齢と同じになっていった。

 年齢的にはもう大人だ。いや、子供と名乗れなくなった、が正しいのかもしれない。

 そもそも大人ってなんだろう。俺は本当に大人になれたのだろうか。心はどこまでも子供の延長線上にいると思う。

 中学生になれば大人になれると思っていた頃のように、仕事をすれば大人になれるのだとどこかで思っていた。

 市役所に受かり、ドラゴンパークに配属された今。

 子供と大人の境界線をいまだに分からずにいる。

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