ハッピーエンドとスタンガン

世界を終わらせるのにお金はかからなかった。

スタンガン。

僕は少し指先に力をこめるだけで。

昇天。

それで終わり。


ハッピーエンドはとうとつだ。

バッドエンドは意図的だ。

ええっと。

僕はいつも暗い気持ちになる。

親のこととか、妹のこととか。

先生のこととか、自分のこととか。

友達の…そうだね、友達なんていないけど。

いろんなことを考えだすと、頭がパンクしそうになる。


それでも一瞬だけ楽しくなる瞬間がある。

君に会った時だ。

君が笑った時だ。

視線を交わした時だ。

それ以上の気持ちは、きっとないんだ。

これまでも。これからも。

一瞬でのぼりつめ、急降下。

僕は自己嫌悪に押しつぶされそうになる。


だからどうか、お願いです。

この黒い機械的なやつで。

次に僕に出会ったら唐突に。

少しだけの侮蔑を指に込めて。

僕の幕を引いてください。

その役目が君であれば、僕はハッピーだから。

それが一瞬なら僕はエンドなんだ。

そこに君がいるなら。

僕は。

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花も束さ 雲鈍 @terry

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