ハッピーエンドとスタンガン
世界を終わらせるのにお金はかからなかった。
スタンガン。
僕は少し指先に力をこめるだけで。
昇天。
それで終わり。
ハッピーエンドはとうとつだ。
バッドエンドは意図的だ。
ええっと。
僕はいつも暗い気持ちになる。
親のこととか、妹のこととか。
先生のこととか、自分のこととか。
友達の…そうだね、友達なんていないけど。
いろんなことを考えだすと、頭がパンクしそうになる。
それでも一瞬だけ楽しくなる瞬間がある。
君に会った時だ。
君が笑った時だ。
視線を交わした時だ。
それ以上の気持ちは、きっとないんだ。
これまでも。これからも。
一瞬でのぼりつめ、急降下。
僕は自己嫌悪に押しつぶされそうになる。
だからどうか、お願いです。
この黒い機械的なやつで。
次に僕に出会ったら唐突に。
少しだけの侮蔑を指に込めて。
僕の幕を引いてください。
その役目が君であれば、僕はハッピーだから。
それが一瞬なら僕はエンドなんだ。
そこに君がいるなら。
僕は。
花も束さ 雲鈍 @terry
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。花も束さの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます