面白かったです。
他の方も書かれておられますが、自分もラヴクラフトの小説(邦訳)は難しいという印象が強いです。
ボードゲームのアーカムホラーを何度か遊んだことがあるのと、田辺剛氏のコミックを読んだ程度の浅い知識の自分が言うのも大変恐縮ですが、非常に「らしかった」です(気を悪くなさらないでください。自分的には褒めているつもりです)。
あの全体に流れる不条理さと、湿り気を帯びた不気味な雰囲気が、これほど読み易い文体で楽しめる、というのはとても贅沢な気がします。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
ラヴクラフト自体が古典的な表現を好んだ人なので、邦訳自体に問題ないとも思わないですが、元々読みづらいものなんです。そこがいいという人もたくさんいるのでしょうけど。
田辺剛さんのコミックは凄くいいですよね。重厚な表現がラヴクラフトの原作とマッチしています。
ラヴクラフトらしさが出てると言っていただき、大変光栄です。ありがとうございます。
不条理さで不気味なのは楽しいですよね。ラヴクラフトの表現過多による壮大な雰囲気も出したいのですが、私には無理なのでした。
小学生の頃の授業中に先生の顔が小さく見えて、ネズミの顔みたいに感じていました。口が少し尖っていて今にも「ちゅー」と云いそうな顔でした。
同じヒトでもネコでも顔が同じではないのですが、つい同じだと云う認識を持ってしまっていて、実はそうでないと知ったとき、視界がシャットアウトされて、顔を見失うのは恐怖ですね。
この作品を読ませてもらい、顔のホラーをあらためて知らされました。
千の顔あるいは無限の顔を持つ者などと云われるナイアーラトホテップが現れ、その怖さが凝結する一作なのだと思います。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
ヒトもネコもネズミも、同じ哺乳類なので、顔の構造は似ているのですが、それでも別物ですよね。近い存在なのに、ふとした瞬間にその違いを認識すると、奇妙な恐怖感がありますよね。
顔は鋭敏な感覚器官の集合体であると同時に、個人のアイデンティティともなるものなので、それを失ったり変わったりすることはホラーの基本だとも思います。
楽しんで怖がっていただけたのなら幸いです。
編集済
ラブクラフトの短編集はだいぶ昔に読んでたんですが、体系化されたクトゥルフ神話はあまり詳しくないので、邪神とか旧神とか眷属とかの分類はよくわからんのです。
ただ、ラブ氏の短編のモチーフによくなっていた、実は人間以外の存在が何かのきっかけで自身の存在に目覚める、という話として、この「顔のない人々に関する考察」は相当よくできてると思います。
まあニャルラトホテプに変化させられちゃった一般の方かもしれませんけれど、その辺りの解釈を曖昧にして、ただあったことを書いただけという体でじんわりと自分の立っている足元が消えちゃうような恐怖を感じさせてもらったのは久々でした。
ありがとうございます。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
個人的には、体系化できる(人間が理解できる)ものだと、コズミックホラーの醍醐味がないと思っているので、ラヴクラフトの作品集に順じた世界観にしたいという気持ちで書いています。
また、クトゥルフ神話を知らない人が読んでも読める作品ということも心掛けているところです。(それがすっぽ抜けてるところも多々あると思いますが)
「よくできている」「恐怖を感じた」と言っていただき光栄です。恐怖は未知から来るものなので、すべては明らかにせずに曖昧に描いています。
こちらこそ、お読みいただき、感想を聞かせていただき、ありがとうございました。
編集済
ニャルさまさん、はじめまして。美鶏あおです。ラヴクラフトは若葉マークの私ですが、カクヨムに登録してすぐに出会った作家さんがラヴクラフトファンの方だったのをきっかけに、小説も漫画も積極的に読むようになりました。どの作品も、読んでいるうちにこことは似ているようで違う、どこか別の世界を柱の陰から覗いているような……、怖いのになぜか見るのをやめられない、そんな不思議な気分にさせてくれます。ニャルさまさんのこのお話もそうでした。なんとも言えない余韻をありがとうございました。/ それから、私の作品もたくさん読んでくださり、ご評価もくださってありがとうございました。嬉しかったです。ニャルさまさんの作品もまた読みに寄せていただきたいと思っています。
作者からの返信
美鶏さん、コメントありがとうございます。
ラヴクラフトの小説は圧倒的に強大な存在を、矮小な立場の人間として覗き見しているような感覚が味わえるのが面白いですよね。
余韻の残る作品になっていると言っていただけて嬉しく思います。怖いだけでなくて読んでてワクワクしたり何がしかを心に残せるような小説を書いていきたいです。
美鶏さんの作品も楽しみに読ませていただいています。ちょっと不思議で心温まる作品で気に入っています。
これからもよろしくお願いします。
クトゥルフ神話の混沌とした世界観が面白かったです。
以前、ラブクラフトを読みかじったのですが(題名は忘れてしまいました)あまりに難しく…^^;
まるで禅問答のようだった記憶があります。
オススメの『銀の鍵の門を超えて』を読んでみようと思います。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
面白いものになっていたのでしたら良かったです。
ラヴクラフトの小説はすでに古典の域に入りつつありますし、そもそもラヴクラフト自身が当時の古典のオマージュをしていた節もあって、読みづらいですよね。そこさえ乗り越えれば楽しい作品なのですけど。
拙作を読んで興味が湧かれたのなら嬉しいです。ぜひ読んでみてください!
編集済
これぞクトゥルフ神話、という雰囲気がとてもよく出ていて良かったです。
主人公やイアラの性別の印象が揺らいだり、ニャルラトホテプの表記が各話で変わっていたりしたことも、それらしくて引き込まれました。
クトゥルフ神話とは、ずっと昔にレンタルビデオ店でネクロノミカンのパッケージを見たのが始まりで、実際に内容を知ったのは少し前の漫画ブームのときでしたが、ある種の様式美があって良いですよね。
あと、随所で誤字報告をしておりまして、それらしきものがありましたのでまとめて報告します。
4「手に握らた」
5「顔なのかがわかない」
作者からの返信
コメントありがとうございます。
クトゥルフ神話の雰囲気を出せていたなら良かったです。細かい部分も見ていただいて嬉しく思います。
映画や漫画作品から入るのもいいものですよね。ゲームから入る人も多そうです。映画のクトゥル―ものはなかなか良作が出てきてくれませんが。
誤字報告も助かります。修正いたしました。
ラヴクラフトぽっい雰囲気の作品で面白かったです
作者からの返信
コメントありがとうございます。
ラヴクラフト作品を読んでいるような怖さや楽しさがありましたら、この上ない光栄です。