自主企画『3つのタグで1件しか引っかからない作品』が面白いテーマだったので、2021年1月20日のデータを使って条件を満たす作品を全列挙してみた。ただ発表するだけじゃ面白くないので、俺とゲームをしよう

草薙 健(タケル)

さぁ、ゲームを始めよう!

「タケル君!」


 俺――研究所主任研究員マッドサイエンティスト草薙くさなぎタケルが『カクヨム小説の真実』のためにデータを集めていると、研究助手アシスタントで俺の幼馴染みであるとう景子けいこが何故か怒りながら研究室へ入ってきた。


 ちなみに、俺はこの作品の作者と名前は似ているが全くの別人である。誤解無きよう。


「なんでそんなに顔を真っ赤にしてるんだ?」

「所長の新しい作品を見つけたんだけど、何なの!? このふざけたタイトルとキャッチフレーズは!!」


 いつもは温厚なケイコちゃんが、珍しく激しいツッコミを入れてくる。


「ふざけた?」

「どう考えても自主企画の企画主を馬鹿にしてるよね!」

「してないしてない。所長は『着眼点が素晴らしい!』と感銘を受けてたぞ。俺もそれには全く同意だ」

「え、そうなの?」

「企画主はカクヨムの仕様をよく分かっている方だとお見受けした。

 まずは小説検索。カクヨムの小説は以下のURLから検索できるようになっている」


『小説検索』

 https://kakuyomu.jp/search


「知ってるわよ。ここに色んなキーワードを打ち込んだら、関連する小説やタグが表示されるんでしょ?」

「その通りだ。しかし、システムが受け付けるキーワードは『3つ』までなんだ」

「え、そうなの?」

「試してみればいい。スペースで区切って4つ以上キーワードを入力しても、検索結果は最初の3つ分しか表示されないはずだ」

「あ、ほんとだ……」

「そしてタグ。タグはバラエティに飛んでいるから、企画主は『20作品以上に使われている』という制約を加えることによって、参加出来る作品のハードルを上げているんだ」

「なるほど」

「さらに、結果で 1 つしか表示されないと言うことはそこにオリジナリティがあると言うこと。『世界に 1 つだけの花』ならぬ、『世界に 1 つだけの小説』だな。

 この自主企画の何が賢いかって、そんなオリジナリティを持った小説を『書き手』自ら申告して貰うということだ。探す手間を省力化出来ると言う意味で非常に素晴らしい手法と言える」

「うーん、最後のは褒めてるのかどうか怪しいけど、オリジナリティを持った作品集が自動的に出来上がると言うのは、面白い試みだと私も思うわ」



「さて、ここからがこの作品の本題だ。

 俺はこの自主企画のタイトルを見て、『制約を満たす作品を全列挙するしかない!』という謎の使命感を覚えた」

「謎すぎる……」

「だってさ、2021年1月20日時点とは言え全作品のデータを持ってるんだよ? つまり、カクヨムのシステムを介さずに調べることが出来るんだよ? 今やらなくていつやるの? 今でしょ!」

「いや、まぁ、やらなくてもよかったと私は思う――」

「と言うことで、俺は全列挙するために様々なアルゴリズムを組んだ。

 最初のアルゴリズムはナイーブすぎて24時間で20作品ほどしか列挙出来なかったが、改良を重ねた末に1時間未満で全作品の列挙に成功したんだ!」

「わー、すごーい」

「ケイコちゃん、棒読みにもほどがある……」

「だって、何作品あるか分からないと驚きようがないもん」

「確かに」

「それで、何作品なの?」

「それをここでパパッと発表してしまったら面白くないと思ってね。ゲームにしようと思ったんだ」

「そう言えば、ゲームって何よ?」

「この自主企画が終わるまでに、『読み手』の皆さんにはこの自主企画の条件を満たす『タグの組合せ』を見つけて欲しいんだ。そして、そのタグ単独での出現作品数を全部足して数字で俺よりも高い数字を見つけられた人には――」


 所長がその人の小説を読みに行く


「――と言う商品を付けよう!」

「ちょっと、勝手にそんなことして大丈夫!? 所長に怒られるわよ?」

「大丈夫だって。俺が上手くやり込めておくから」

「本当かなぁ……不安しかない」

「条件をおさらいしよう!」


・自主企画の条件に合うタグの組合せを選ぶ(作品につけたタグから3つ選んで(検索窓にタグ名をスペース区切りで)検索したときに『その作品しかヒットしない』、ただし3つのタグはいずれも『それぞれのタグを単独で検索したときは20件以上ヒットする』タグ)

・それぞれのタグを単独で検索したときに現れる作品数をカウント

・上で数えた数字を足し算して俺に報告


<例>

『自主企画 ゲーム 勝負』

https://kakuyomu.jp/search?q=%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0+%E8%87%AA%E4%B8%BB%E4%BC%81%E7%94%BB+%E5%8B%9D%E8%B2%A0

→ 1 作品


『自主企画』

https://kakuyomu.jp/tags/%E8%87%AA%E4%B8%BB%E4%BC%81%E7%94%BB?page=8

→ 374 作品


『ゲーム』

https://kakuyomu.jp/tags/%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0?page=30

→ 1,484 作品


『勝負』

https://kakuyomu.jp/tags/%E5%8B%9D%E8%B2%A0?page=1

→ 34 作品


 合計:374 + 1,484 + 34 = 1,892 ← タグの組合せとこの数字を報告


「でも、タケル君はどんなタグの組合せがあるか全列挙出来てるんでしょ? 『読み手』の人に勝ち目無いじゃん」

「そんなことないぞ。何せ、計算のベースになってるのが2021年1月20日だからな。つまり、それ以降の変更は全く検知出来てないのさ。1月20日時点には無かった組合せを自由に作って自分の作品に付けるなり新作を公開すれば、1発逆転は大いに可能だ」

「そうだったのね」

「と言う訳で、果たして反応があるのかどうかという所からして疑問だが、とりあえず賽は投げられた」

「『読み手』の皆さんはあまりタケル君の道楽に付き合わなくてもいいわよ? まぁ、暇があればやってみてくれるとタケル君は喜ぶかもね」

「では、『読み手』諸君の検討を祈る!」

「ところで、全列挙の結果はいつ発表するの?」

「それは――」

「それは?」

「『カクヨム小説の真実~215,590作品のデータから本性を暴き出す』のエピソードでいずれ触れるぞ!」

「最後の最後に宣伝キターッ!」


『カクヨム小説の真実~215,590作品のデータから本性を暴き出す』

 https://kakuyomu.jp/works/1177354055450204744

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自主企画『3つのタグで1件しか引っかからない作品』が面白いテーマだったので、2021年1月20日のデータを使って条件を満たす作品を全列挙してみた。ただ発表するだけじゃ面白くないので、俺とゲームをしよう 草薙 健(タケル) @takerukusanagi

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