第14話 永遠の愛を誓って・・・

それから私は高校を卒業する事に専念した。


そんな鮎夢も芸能人でありながら通える高校に行き、お互い卒業する為に頑張った。




数年後 ――――




「ただいまーー。お母さーん。誰かお客さん?」



私はリビングに向かいながら尋ねる。




カチャ


リビングのドアを開ける。



ドキン……




そこには……



「………………」



「……鮎…夢……」


「よう!久しぶりやんけー。元気しと……」



私は鮎夢に抱きつき、言葉を遮るように迎え入れる。



「おかえりっ!」

「ああ、ただいま」


「今日は、どうしたの?まさか、鮎夢がいるなんて思わなかったけど……また、すぐ出掛けるんだよね?」


「ああ、すぐに行かなあかんねん」

「そっか……」

「夜は帰って来るようにはするけど何時になるかは分からへん」

「そうなんだ……」

「ほな、行ってきます」

「……うん…」

「行ってらっしゃい」



突然の事で嬉しい反面、すぐに行かないといけないのは残念だ。



「魅羽、ちょっと」



リビングのドアの隙間から手招きする鮎夢。



「何?」



グイッと引き寄せるとキスをした。



「本当は、これだけじゃ足りへん位、お前に触れたくてしゃーないけど…」


「…鮎夢…」




私達は再びキスをし、深いキスをされた。



「顔、赤いで」

「…バカっ!」

「関西はアホやで。それからな魅羽」

「何?」

「覚悟しとくんやで」

「えっ?」



そして、耳元で



『お前の全てもらうからな』



ドキン




「えっ!?す、全て…?」


「だって相思相愛やねんから当たり前やろ?」




至近距離で言われ、私の胸はドキドキ加速していく。



「ほな、行ってくるわ!」



キスをし出掛けた。




私は一気に体が熱くなった。



≪つ、つまり…それって…≫





「まあ、すぐにとは言わへんけど、そのうち…取り合えず意地悪していこかな?」



そんな鮎夢の思いは知るよしもなく私達の生活が再び始まる。




ある日の事だった。



「鮎夢っ!」




ドタドタ…


バタバタ…




リビングから鮎夢の部屋まで廊下から階段を一気に駆けあがり部屋のドアを開ける。



ガチャ



「ちょっと鮎夢っ!」

「何やねん!家の中に猪が入って来たかと思ったわ!」


「猪ぃぃっ!?あーーーっ!やっぱりーーーっ!」

「何やねん!」

「私のチョコっ!」



私が食べようと思っていたチョコレートが鮎夢の口の中に入っていた。



「あり得ないっ!チョコレート食べようと楽しみにしていたのに!」


「知るかっ!食ったもん勝ちやろ?」


「違うっ!違うっ!人のチョコ食べたあんたが言うなっ!」


「チョコの1つや2つ別にええやんっ!」

「良くないからっ!」

「食べた代金として徴集するっ!」

「ええ~っ!ほな、俺の体で!」

「バカッ!」

「関西はアホや言うてるやん」


「そんなの知らないからっ!言っておくけど食べ物の恨みは怖いんだからね!」




私達は騒ぐ。





その日の夜。


「鮎夢、開けるよ」



カチャ


「寝てるし……。全く人のチョコ食べておきながらムカつくとか思ったけど…。疲れてたんだろうね…台本片手に寝落ちしてるし。寝顔とか反則だよ……バカ……」



私は毛布取り出す。



「魅羽?」


「…ごめん…起こした?」

「いや…」

「お風呂入れそう?」

「あー…台本覚えなアカンから入るわ」

「そっか……じゃあ入ってきなよ」

「ああ」



私は鮎夢の部屋を出て行き始める。



「あっ!そうや!魅羽」

「何?」

「ほらっ!」




鮎夢は、何かを投げた。



「わっ!……これ……」

「食べたお詫びや」



鮎夢はチョコレートを渡した。



「ありがとう」

「いいえ」


私は鮎夢の部屋を出て行く。




そんなある日の事だった。



「あの…お二人に折り入ってお話があるんですけど」


「何?」

「魅羽さんと……」


「結婚?」と、母親


「えっ!?結婚っ!?」と、私。


「あ、いや……まあ…否定する理由あらへんのやけど…」

「えっ!?鮎夢、私と結婚考えてるの?」

「あかんか?」

「いや……」



≪嘘……私が鮎夢と結婚?≫




ファンから一転し、鮎夢との同居生活が始まってから私の人生は変わっていった。




「一応、お付き合いはしているんですけど……まだ……関係持つ事はしていません。きちんと許可はもらわないと…何か俺的には嫌で……」



「……鮎夢……か、関係って……」


「いや、大事な事やで。妊娠させたら責任とらなあかんねんから。家族を持つちゅー事は、そういう事も含まれてんのやから」



両親は笑う。



「魅羽は、ずっと芸能人の ayumu 君だったから、まさか自分がファンの彼が自分の彼氏と未来の旦那様になるなんて夢みたいな話だったものね」


「それは……」



「鮎夢君、こんな娘だけど宜しくね」

「はい。俺には勿体ない位です」




ドキッ

私の胸が大きく跳ねた。





「魅羽、改めて宜しくな」

「えっ?あ…うん…」




私達は、両親公認のお付き合いが始まった。






















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彼 と カレ ハル @haru4649

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