第24話 奇抜過ぎる潜入捜査、開始!
「このままだと絢香さんに、全ての罪を負わせて、The END。それが悔くやしいんだろうな」
「慎司の洞察力は、認めるけど、解決する能力が追いついてないのよねぇ」
「事実を言うな、事実を」
「でも、絢香さんに果林ちゃんをどうにかする動機があるとは思えないけど?」
「そんなものはでっち上げれば済むだろうか」
「例えば?」
「絢香さんのキャラクターが、彼女自身を追い込むことになるのさ。聞き込みをすれば、冷酷、無慈悲、トラブルメーカーって、証言でてんこ盛り。警察は、都合のいいところだけを繋ぎ合わせ、あたかもの体裁を繕うものさ。あとは、つい、カ~っとなって、犯行に及んだとでも、決め付けるだろう」
「そんな酷~い」
「俺たちだって、実際に絢香さんに触れて、考えが変わった。それが真実と向き合う者の答えさ」
「まぁ、そうだけど…」
「警察は鼻っから参考人を信じないさ。痴漢冤罪がそうだろ。やってなくても、やったと決め付ける。加害者が被害者なんて考えないさ。性欲を満たすためにやったって決め付けるじゃないか」
「そうだね、痴漢冤罪は、晴らすのが難しそうだものねぇ」
「調べる側が、俺は欲望を抑えているのに、お前は、やりやがった。だから、許せないって、感情が丸出しだよ」
「慎司の話を聞いてると、正義じゃなくて、やりたくてもやれないことへの嫉妬心に聞こえるわよ」
「そう、思っている。衝動殺人みたいなものは別として、他の要因が絡む案件を
「ドラマの見過ぎじゃ、ない」
「見過ぎで結構。何だか、絢香さん、救出に燃えてきたぁ~」
「それは、いいけど。何か、腑に落ちないなぁ」
「闘志を燃やさせるのは、巨大な敵に立ち向かう時さ」
「そうだけど、何か違うんだなぁ」
「いいじゃないか、やる気のエネルギーになれば」
「まっ、いいか。誤った結果を正せるなら」
「そうだよ、罪が確定してしまえば、覆せない、それが冤罪の温床。俺たちがどんな怒りを持とうと誰にも迷惑を掛けないからな。だけど、冤罪だけは、早期発見、早期修正させなければならない」
「そうね、真実は、良くも悪くもひとつだからね。偏見、思い込みでねじ曲げさせてはダメだよね」
「そう言うことさ」
「うん?何だか僕、丸め込まれた」
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