異世界大河ドラマ《うつけが盗む》 ~うつけモノと呼ばれた王子様は、夜な夜な義賊をやりながら、民主主義革命の同志を探していた~

作者 秋山機竜

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★★★ Excellent!!!

読み応えが凄い。
この作者様の他作品を読んでも、細かな設定に驚かされます。
異世界大河ドラマと銘打ってありますが、まさに異世界で繰り広げられる歴史大河ドラマ。

『うつけ者』を演じる王子が戦争後の混乱期、またこの後の降り掛かる戦乱をどう乗り切り革命を起こすか?
共通規格を法律的に通すなどファンタジーでありながら、切り口はリアル。
思わず「うまいな!」と唸りながら読んでしまいます。
この辺り作者様は本当に上手ですね!

ファンタジーの世界に「民主主義」という極めてリアルな政治形態がどうマッチするのか疑問でしたが、主人公が一つ一つゆっくり理解していく様も素晴らしい。
本来であれば「国造り」=「政敵の暗殺」
これが簡単で近道なのですが、安易にそれをやらない。
言論統制、民衆の弾圧、政敵の収監。
100年前と何ら変わらずこんな事が当たり前に起こっている現代。
そんな事してる方々には見習って欲しいですね(^_^;)

国造りをする物語が好きな方はぜひ読んで下さい。

★★★ Excellent!!!

パンイチで登場するオルトラン王国の第三王子、リネシス。上に二人の兄がいるせいもあって、誰からも期待されていない。周囲の環境と才に恵まれたこともあり、自らいろんなことを学んだ末にある決心をして冒険に旅に出る。だが、それはこの物語の序章に過ぎない。おそらく、リネシスが本当にやりたいことを成し遂げるためには綺麗ごとでは済まされない多くの出来事が待ち構えている。多くの人々の涙と血が流されるのに違いない。リネシスも自分の手を汚し、泥をかぶって何かを失う覚悟がなければ民主主義革命を起こせるものではない。まだ連載途中だけれど、それでも彼はその痛みと共に生きる覚悟があることがはっきりと伝わってくる。人生は勝ちや負けだけではない。何かを倒す爽快感だけの冒険なんてつまらない。すべてを背負って時には涙し、ねじ切れるように苦しみ、ゆっくりと微笑み、ある夜には痛快に手段を選ばない彼の今後が楽しみだ。リネシスと作者の本気がびんびん伝わってくるので、もう是非是非読んでください。