その中の2%しかいないんだ。

炎上配信がおわって、数字を確認すると。

フォロワー数2394人→2454人

YOUTUBEチャンネル登録者数 884人→900人


伸びは落ち着いてきてはいるが、それでも1か月分の伸びが3~4時間で達成してしまう。


やはり、炎上は数字が伸びるな。

この後の脱退祭りがありそうだから。メンタルの準備しておこうかな。



なんとなく、配信の振り返りをしようと思った。


「アリアちゃんさ、あの時さ。

なんで、攻撃しなかったの。

あの人が善人か分からなかったじゃん。」

純粋に疑問をぶつけてみた。


「それは、信じたいからよ。

ネットだからさ、確かに怪しいやつは多いよ。

そんな暗い世界だから信じることを大切にしたいの。

最初は残酷な現実よりも理想を信じたいじゃん。」

理想論の中に少しの現実的なことを言っているため、具体的な理想論ですんなりと受け入れてしまった。

いきなりこんな発言している奴がいたら、信じることはできないが。

目の前で行っていたため、受け入れざるを得なかった。


「すごいじゃん。尊敬してしまう。」

魂である私は思わず、褒めてしまう。

気が弱くて、すぐにNGを行うと思う。

やはり、恐怖でしかないからだ。


「はぁ~。

なんか、あんたの自信のなさにがっくりしてしまうわね。

わたしって、理想像からできているわけ。

心のどこかではそういった綺麗な自分になりたいと思っているの。」


アリアは、一呼吸を開けた。

おそらく、次にいうことに力を入れたくて。喝を入れたくて。自信をつけさせたくて。

アリアちゃんなりの意味をいろいろあるのであろうと理解してしまった。



「これは命令よ。

私はあんたを信じている。どんな時もね。

だから、私が信じているあんたを信じろ。」

サファイア色の瞳がより強くなっており、魂である自分を信じてほしいと思った。



アリアちゃんを信じる私を信じろって、自分を信じろと遠回しに言っていると勘違いしてしまいそうになるが。

アリアちゃんは、長年カースト制度の下で生きていた私には難しいと思ったのであろう。

だから、純粋に信じきれない自分がいる。


アリアちゃんが信じている自分なら、信じきれると確信を持ってしまった。



「遠回りだけどさ。胸には響いたよ。

アリアちゃんが信じてくれるんだったら、頑張れそう。」

少し胸が軽くなり、前に進めそうになった。


「それにさ。

あの時、話聞こうと思ったのはさ。

誰も言うことを聞かない認知症のおじいちゃんを理解しているのを見ていればさ。

傾聴の大切さは分かるわよ。」

にこっと笑いながらアリアは褒めてくれた。

おそらく、信じている言葉を嘘ではないと伝えたかったのであろう。


「ありがとうね。

これで、サムネ作りも行けそうな気がしてきたわ。

動画をあげる作業をやっていきましょう。」

魂である私は張り切って発言している。


水饅頭さんが、動画の本数が多すぎるためか。

サムネを1日で5個ほど作ってもらっていた。

しかも、私より目立っているし、うまい。


動画5本上げたら寝ようかな。



「そういえば、収益化まで、あと100人ね。

再生時間も4000時間超えているし。なんとか今月中に行きたいわね。

収益化できたら、作業も委託してきましょう。

切り抜き速度を落とすのはもったいないし」

アリアは的確にしゃべっている。


世間一般では、1000人のみと着目されることが多いが、

自分が上げた動画の1年間での総再生時間4000時間という大きな問題がある。

むしろ、後者の方で苦しみYOUTUBERが多い。

その重いハードルのせいで、上位20%のチャンネルしか収益化できてないのだ。

しかも、その中には企業や芸能人がいるから個人勢はさらに狭い関門となっている。



「そうだね。

収益化できたら、お金の使い方は考えないとね。

正直、贅沢はするつもりはないよ。

生活のレベルは上げずに。動画とかに投資していくつもりだよ。」

魂である私はしっかりと答えた。


生活の質を上げて贅沢を覚えてしまうと、戻ることが大変である。

それよりかは、動画に投資していき、ビジネスチャンスを広げていくことの方が大切だ。

おそらく、月10000円が限界であると理解しているつもりだ。


炎上とクソゲーで、1000人超えようとしている。

1000人超えたら、過疎とか言われなくなるし。

がんばって、4桁にしていきたい。


1000人超えたら、5000人レベルの人とかにコラボの声掛けしてかないとな。

1000人超えるってワクワクするな。

よっし。動画上げている途中だけど。

あげながら、ほかの人の1000人記念動画でも見るか。


タイトル『1000人超えてから、分かったこと。』


「お前ら、1000人超えたからって、調子乗るなよ。

たしかに1000人超えたことは上位20%になることで誇っていい。

ただな。

それで飯食えているやつはな。

その中の2%しかいないんだ。

YOUTUBEはな。残酷なサイトなんだよ。覚えとけよ。

じゃあな。過疎ども。」


希望から絶望に変わるこの瞬間を感じてしまった。

0.04%しか飯食えないのかよ。

マジでつらい。


動画も上がりそうだし。がっかりした気持ちを忘れるために寝るか。


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