アクス
ヒーローマン
第1話 序章・古代の装飾品
今からおよそ1万年前......
人類は、装飾品という物を身につけ始めた。耳飾りや指輪など沢山の種類があり、中には宝石を使った特別な物まで存在した。そしていつしか身につけている装飾品が豪華であればあるほど身分が上である、という意識が生まれ、広がっていった。
しかし、装飾品が生まれてから千年後のとある日の夜、装飾品を身につけている者が一斉に姿を消した。そして人が消えたと思われる場所には必ず装飾品だけが残されていた。面倒くさがりの王様は装飾品を外し奇跡的に仕事から逃げていたため助かったものの、これを恐れ、装飾品全てを集め封印した____
それからおよそ9千年......現代
城南大学の生徒・古島優気(こじまゆうき)は夏休みにする事が無いという理由で里帰り中だ。昨日は帰るまでの道のりで疲れ、家に着いた途端に眠ってしまった。今日からはしばらく実家での生活だ。親には軽く近況を話し、さっさと朝食を済ませて優気は急いでどこかへ向かっていった。
約5分後、着いたのは幼馴染の前田冷(まえだれい)の家だった。
「おーい、冷!起きろよ!」
「うるさいわねぇ...って、優気!?どうして!?」
「里帰り中だ!広(ひろし)呼んでくるから飯食っとけよ〜!」
そう言うと優気は再び急いでどこかへ向かっていった。
約2分後、田んぼに着いた。遠くに田植えをしている若者の姿が見える。もう1人の幼馴染の昔川広(せきかわひろし)だ。
「おーい!広!」
「おお、優気!帰ってきてたのか。変わらず元気だな〜。」
そう言って広は笑った。
「一緒に行きたい場所があるんだ。冷の家の前で待ち合わせてるから早く来いよな!」
「ちょ、ちょっと待ってくれよ。おい、優気ってば。置いていくなよ〜!」
冷の家の前では朝食を済ませた冷が優気と広を待っていた。
「急に帰ってきて何よ...あいつ...」
しばらくすると、誰かが走ってくる音が聞こえた。
「おーい!飯は食ったか〜?」
「食べたよ。で、私達を集めてどこに行きたいの?」
「裏山に来たかったのか。なんだ、昔みたいに鬼ごっこでもしたいのか!」
「そういうわけじゃないけど...でも、3人でまたここに来たいと思って...」
冷と広は微笑み、優気と一緒に山を散策する事にした。
一方その頃、裏山にある洞窟では発掘されたばかりの大きな箱の研究が進められていた。
それは1万年近く前の物と推測され、好奇心に駆られて研究者は箱を開けようと必死になっていた。
すると、研究者達のリーダーは言った。
「もう諦めよう。一度、研究所へ持ち帰ってもっと詳しく調べる必要がありそうだ。」
そう言われて誰もが諦めたかと思われたその時、研究者の1人が何かに取り憑かれたかのように暴れだした。ひたすら箱を殴り、揺らし、壊そうとした。大勢で止めにかかるも力が強くて抑えられない。
そしてそのまま箱を床に投げつけ、謎の言語を話し始めた。
「.........!」
呪文のようなその言葉が途切れた瞬間、箱が開いた。
そして......
9千年前に封印されたアクセサリーを身につけた怪人達が現れた。
つづく
アクス ヒーローマン @hero_senmon
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