(Au revoir)
雷鳴がとどろき
更衣室にはもう彼の迷彩服はない。
寮にも私物はひとつもない。
彼の生活の痕跡はここにはありはしない。
――――――
その後の彼の消息は定かではない。
彼はさまよえる人となった。彼の思い描いた無差別の正義は幽霊となった。いや、もともとそれは実在していなかったのかもしれない。
――――――
約束の場所に少女はいた。
少女の全身を、
少女の隣にも、彼の姿はなかった。
――――――
正義らしさは、絶えず、正義によって裁かれる。
正義、それは不正義と永続的な闘争を続けざるをえない。
――――――
ただし、無差別だけは、差別と手を取りあえるかもしれない。
maison 紫鳥コウ @Smilitary
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