p.s.
手紙を胸に微笑む彼女の姿に、僕はもう何度目かも数えきれない恋をしてしまった。
病床で君たちの側にいられなくなる時がくるのに怯えながら、祈るように書いた恋文を……まだ大切に思っていてくれたなんて。
一度しかない人生を、君の自由を、縛ってしまったことは後ろめたくはある。
だけども正直な気持ちでは、君がまだ僕を愛してくれていることが、たまらなく幸せだ。
あれから、君には困難な事も多かった。身を粉にするほどの無理をさせてしまった事もある。
それでも君は、僕たちの大切なものを、守って育んでくれたね。
どれだけ感謝してもし足りない。
年を取らない僕の姿は、年を重ねた君の姿とは似合わなくなってしまったけれど。
君は昔から美しく、今も最高潮に輝いている。
なぜみんな『K』なの?なんて。
君は笑いながら聞いたことがあったけど。
あの時はぐらかさずに伝えておけば良かった。
一文字くらい、君と同じ名前を持たせたかったんだ。
君のように素敵な人間になってくれるように。
でもほら、その通りになっただろう?
僕の愛する『K』たちは、みんな素晴らしいのだから。
あと数十年。
君と再び会える日を傍らで待っているよ。
もう一度出逢えたら。
恋文には収まりきれない想いを、君に全て伝えたい。
二人で、愛する『K』たちを、彼らの紡いだその先を、一緒に見守ってゆきたい、だなんて。
贅沢な夢だろうか。
今も君たちを想わない時はないよ。
いつまでも、いつまでも、愛してる。
Dear K ちえ。 @chiesabu
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