4#2匹の猫が風船を全部割っちゃいました。

 「・・・・・・」


 「・・・・・・」


 「・・・・・・」



 この商店街の管理人達が、駆け寄って来たときには後の祭りだった。


 野次馬の人々がごった返す中、1面の夥しい数の割れた風船の破片にまみれた広場のど真ん中に、全身を割れた風船まみれで2匹の猫がキョトンと座っていた。



 じろーーーーーーっ・・・



 「どんどんとやら、俺らは何かとんでもねぇことやらかしたみたいだな・・・」


 「気まずいねここは。きじたろうとやら。

 ここは、食い物ねだるように人間達に可愛さアピールで誤魔化すしか・・・」


 2匹はお互い仰向けになって、

 「ごろにゃ~ん。」

 と、可愛さアピールした。



 じろーーーーーーっ・・・



 「ここは、ひとまず。」


 「逃げようにゃ!!」


 2匹の猫は、冷や汗をかきながらその場をスタコラサッサとチーターの如く猛ダッシュのストライドで逃げた。


 「あーーーゴムくせぇーーー!!」


 「俺もゴムくせぇーーー!!」


 2匹が駆けていく際に、ぱらぱらりと身体の静電気でくっついた割れた風船の破片は剥がれて取れても、

 暫くの間、身体中のゴムの匂いは取れなかった。






 ~どら猫と野良猫の風船バンバン大騒動~


 ~fin~

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どら猫と野良猫の風船バンバン大騒動 アほリ @ahori1970

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