第35話 ノザレ退却戦10 戦神は邪神を叩き潰しました

戦神シャラザールは追われているマーマレードの兵士達を次々に助けていった。

追っていたノルディンの兵士たちを次々に仕留めていく。


「シャラザールだ」

「神は我々を見捨てなかった」


マーマレードの兵士達は歓喜の声を上げた。

その兵士達を次々と糾合しつつシャラザールは北の砦に向かって進撃を開始する。


ノルデイン軍の兵士達は追撃戦が、シャラザールとぶつかることで粉砕され、慌てて逃走戦に入った。


そして、第8師団の逃走兵と、第2師団の追撃兵がぶつかった。

マーマレードの兵士達は挟まれることを嫌って横にそれる。


その真中目指してシャラザールは斬撃を放っていた。

もう一撃。

ノルデイン軍は大混乱に陥った。



マクシムはその斬撃を見て驚いた。こんな事ができる奴は一匹しかいない。

「まさか、しかし、あいつは封印されたはずだ」

マクシムは呟いた。

しかし、第2師団の突撃を止めた光の中央には見間違うはずのない史上最悪の男女が剣を構えて立っていた。


「そこな邪神。久しぶりだな。素直に降伏せよ」

シャラザールは大声で宣った。


「ふん。男女がでかい口を叩くな。貴様もゼウスに地上に叩き落されたのであろう。今度こそ返り討ちにしてやるわ」

マクシムが叫ぶと剣を手に取った。


「そうか止む終えまい。成敗してくれるわ」

シャラザールも剣を構える。


間にいた兵士達は慌てて二人の間から逃げようとする。


「この斬撃、食らうが良い」

お構いなしにマクシムが斬撃をシャラザールに向けて放っていた。

真っ青な光が真っ直ぐにシャラザールに向かう。

途中にいた多くのノルデイン軍の兵士達がそれにやられる。


シャラザールにまっすぐに伸びた斬撃をシャラザールは剣で弾き返した。

そして、弾かれた斬撃の先にいたノルディンの兵士達が更に切り倒される。

凄まじい爆発音がした。


「ふんっ。下らんな。次は余が行くぞ」

シャラザールは剣を真上に構えた。

剣が黄金に光る。

「喰らえ」

シャラザールの叫びと同時に、剣が振り下ろされた。金色の斬撃が第二師団に浴びせられる。

それは師団の中央部にいたマクシムを目指して直撃した。

マクシムは障壁を構えるが、そんなものはシャラザールの斬撃に効く訳はなく、その直撃を受けて弾き飛ばされていた。

一瞬にて勝敗は決まった。

力の差がありすぎた。


それを見たノルデイン軍に恐慌が走った。ノルディン最強のマクシムが一撃でやらせたのだ。

この女に勝てるわけはない。

そんな奴に勝てるわけは無かった。

シャラザールは更に剣を構えた。



「げっ」

「やばい」

「殺される」

恐慌を来したノルディン軍は一斉に逃げ出した。

蜘蛛の巣を散らすように。

それを止められるものは誰もいなかった。

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