無敵の俺
白川津 中々
■
特殊能力を手に入れた俺は無敵なため好き放題生きる事を決めたのだった。
家を出てライドオンバイシクル。モードフルモンティ。裸・裸・裸ンドと口ずさみ公道を疾走。風を纏う完全体に観衆の歓声が響くと、素晴らしい高揚が訪れ最終兵器がグッモーニン。春の日の一コマに差し込まれるイレギュラーは俺からのサプライズである。是非とも喜んでいただきたい。
商店街に到着。ますます高まるボルテージ。黄色い声が伝播拡散。勢いのままでんでんでんぐり返しで魚屋に入店。秋刀魚を二尾失敬し両手に装備。二天一流である。これで物理的な攻撃力も加乗されまさに最強となったわけだ。
しかし強さとは虚しさ。力があっても振るえる先がなくては持ち腐れである。何やら寓話のようではないか。
無敵になった俺は果たして何のために生きていけばいいのだろう。
あぁ、俺はいったい何を……
無敵の俺 白川津 中々 @taka1212384
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