第3話呪の刀との最後
〈おばぱ〉おぉ、アルド来たかや。
連絡を受けてるよ。
じゃぁ、早速始めよいかの、御札を同じように、貼っておくれ。
205枚全てじゃ。
〈アルド〉あぁ、解った。みんな手伝ってくれ。
みんなて、御札を役割分担をして御札を貼って行く。
御札に、のりを付ける人、御札を貼る人に渡す人、貼る人に別れて、交代しながら貼っていった。
〈エイミ〉結構面倒くさいわね。
〈フィーネ〉駄目だよ。この刀のためにも、貼って終わらせて上げなくちゃ
〈ツキハ〉そうですね。無念の念かヒシヒシと伝わって来ます。
〈イルルゥ〉たくさんの魂さんの気配をビンビンに感じます〜。大変〜
〈サイラス〉何でござるか?拙者は渡す係の方が良いでござる。貼る係は、ムズムズするでごさる。
〈イルルゥ〉じゃぁ、イルルゥがやる〜
〈アルド〉待て、貼るのは、ツキハお願いできるか?
〈ツキハ〉はい、解りました。
〈おばば〉結構、面倒くさいんだけど、ここをしっかりやっておかないと、とんでも無い事になるからね。あんたら、仲が良いから、すぐさね。
〈アルド〉ふ〜出来た。これで良いか?ゴツくなったな。
〈おばば〉じゃぁ、その刀を地面に置いて、離れて、見ておいで、後は、私の仕事だからね。頑張ってくれたんだ。答えなくちゃね。
ムム、しっかり押さえこめてるようだね。
おばばは、精神統一をし始め、呪文を唱え始め、おばばの顔から、汗が吹き、背中に幾つもの青白い火の魂が出て舞はじめた。
〈おばば〉そろそろ、準備をせい。わしも、頑張っておるが、思いの他、この刀の呪の力が強い。弱い顕現を行ってはおるが、かなり強い顕現になりそうじゃ。
おばばのかざしている手が、切り傷が増えて行く、まるでナイフで切りつけられているのを紙一重でかわしているような。
そして、顔にも傷が増えて行き、血が噴き出す。
〈アルド〉おばば、任せてくれ。準備はして来た。
〈フィーネ〉大丈夫だよ。おばあちゃん。
お兄ちゃんは、強いから。
〈サイラス〉拙者達は大丈夫でござる。
〈エイミ〉さぁ、みんな。行くわよ。
刀から、顕現した妖魔が出て来た。
刀は、その体内にあるのか、見当たらない。その体は、大きな狼の用であるが、全身にデカい赤いヘビをともなっている。
強靭な大きな爪が更に大きくなる。
赤いヘビは、羽も無いのに空中で、まるで地上であるかの様な動きで、獲物を狙い始めた。
〈イルルゥ〉うわぁ、たくさん魂がある。不思議な生き物だぁ。苦しいの?
スグに楽にしてあげるね。
〈ツキハ〉刀も行く所まで行くと、この様な事になるのだな。可愛そうに、持ち主に恵まれ無かった顛末か。
私が終わらせて上げましょう。
赤蛇は、アルド目掛けて、飛びついて来た。
狼は、ツキハに襲いかかる。
狼の体から、刀が無数に生えて来た瞬間それぞれ、サイラス、エイミ、フィーネ、イルルゥに、変幻に襲いかかる。
〈イルルゥ〉 刀1つ1つに魂があるよ。みんな気を付けてて、狼と刀は、別物だよ。
と言った瞬間、刀が空中に射出され、形が変わって行く。それぞれの相手の形を取って行く。
〈アルド〉な、みんな、クソ
多分、狼が本体ナノは解っているが、ツキハしか、今は相手が出来ない。
どうすれば良い。
ツキハが、狼と距離を取り、弓に持ち変え、オレと戦っている蛇の頭を貫いた。
アルドは、目標を狼に変え大きくジャンプし切りつけたが、交わされたが、次は横薙ぎに振り抜き一撃を与える事か出来た。
すると、みんなが相手にしていた。人形が、刀の形に戻り地面に落ちた。
それぞれがその瞬間を見逃す事無く刀を破壊した。
何とかなりそうだ。とアルドは、安心したその時。蛇や壊れた刀が、狼に戻って行く。
そして、腕が四本の2足歩行の人狼へと、姿を変え、4本の刀を携えた化け物になった。
禍々しいオーラを放ち、化け物は、雄叫びを上げた。
〈イルルゥ〉何、何あれ、魂が中心でぐるぐる回ってる。
アルド〜、イルルゥの鎌で、あの魂さんを分解する〜。後はお願い。
〈アルド〉イルルゥ?え?
〈ツキハ〉イルルゥさんには、今の化け物の形が明確に見えているようです。
〈アルド〉あぁ、なら、イルルゥが鎌で一撃入れたら、オレとサイラスで切り込む。
ツキハと、フィーネは、援護を
エイミは、あの化け物の背後を取り背中に、打撃を入れてくれ。
さぁ、刀よ。役目を終えたんだ。静かに行ってくれ。
〈サイラス〉色々あったでござろうな。
〈フィーネ〉大人しく眠って下さい。
〈エイミ〉じゃぁ、行くわよ。みんな。
イルルゥは、4本の刀の攻撃をスルリとかわし、目に見え無い空中を無数に切りつけた。目に見え無い回数の斬撃。
目の前が、青白く霧散して行く。
イルルゥがその場を飛びのき、ツキハの弓ヒィーネの祈りが、直撃する。
すると、ガラスの割れる様な音がした。
そのチャンスに、サイラスとアルドが飛びかかる。
しかし、相手の4本の刀に、サイラスとアルドの斬撃は、防がれてしまった。
その姿は、作戦通り背中がガラ空きだ。
スゴイスピードで、相手の背後に一瞬で回った、エイミが回転しながら、いくつもの拳を繰り出し、背中に、ダイレクトヒットする。
人狼は、刀を落とし、膝をつき、うつ伏せで大きな音を立て倒れこんだ。
〈おばば〉おぉ、倒したか。みな、その場から離れよ。仕上げをする。アルド達のおかげで、呪が弱まった。
刀にとっては、幸せな使い方は、されてこなんだ様じゃが、アルド達に会えて良かったと、暴走を止めてくれて良かったと、温もりさえ感じるようじゃ。
おばばの背中の火の玉か、人狼の周りに周り始め、青い輪っかが出来、白い光に包まれた。
すると、たくさんの魂達がアルド達の目の前に現れ、地面には、ボロボロの御札の貼られて居ない刀が、そこにあった。
〈おばば〉ふ〜儂も、まだまだ、仕事が出来るの〜。若い者には、負けておれんわい。
〈アルド〉おばば、ありがとう。
〈おばば〉骨が折れたわい。高いぞと言いたい所じゃが、今回は、儂も、押さえ切れない所があった。
ほとんど、お主らの活躍と言った所じゃ、安くしとくよ。そろそろ弟子を取らなきゃだね〜。
〈アルド〉そんな事は、無いよ。おばば、助かったよ。お金は、ここに置いておくよ。
〈フィーネ〉おばあちゃん、ありがとう。
〈ユーイン〉アルド、来たぞ、忙しかったから、来れなかったが、呪の刀はどこだ?
〈アルド〉あぁ、刀なら、ツキハが弔いに、持って行ったよ。
〈ユーイン〉何、何処だ。ツキハ。どこに行った〜。
ユーインは、ツキハを探してこの場から居なくなった。
〈エイミ〉ユーインは、相変わらずね。
〈サイラス〉でござるな。
〈アルド〉そうだな。
アルドは、笑いが込み上げて止まらなくなった。そしてみんなも笑いあった。
〈イルルゥ〉じゃぁ、この魂達連れてくね〜
〈アルド〉ありがとうイルルゥ。
〈イルルゥ〉魂達も喜んでるよ。ありがとうって、じゃぁねみんな。
イルルゥは、煉獄界に行ったようだ。
〈エイミ〉じゃぁ、行くわよみんな。じゃぁねおばば。
〈サイラス〉またで、ござる。
〈アルド〉じゃぁ、行くよ。
〈おばば〉もぅ、行くのかい、何だか淋しいの〜。ほんの少しだけ仕事をした間じゃったが、元気での。良い旅を祈ってるよ。
アルド達は、おばばに手をふって新たな旅に出た。
妖刀とアルド @amgdtwa156
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