第2話荒れ寺の札の男
アルド達は、荒れ寺に向かった。
〈サイラス〉ゲコ。それにしても、205枚とは、スゴイ札数でござるな。
〈エイミ〉面倒くさい事になったわね。
〈アルド〉まぁ、この刀が人の迷惑になるなら、オレはやるよ。
〈サイラス〉そうでござるな。それにしても、相変わらずボロボロな寺でござる。
〈エイミ〉早く終わらせましょう。
〈フィーネ〉お兄ちゃん、ここって幽霊さんがいっぱいいるね。
〈アルド〉あぁ、何回も来たけど、いるよ。
〈エイミ〉い、いやよ私、早くこんな所1秒だって、永居したくないわ。
〈アルド〉エイミは、相変わらずだな。なら、ここで待ってるかい?
〈エイミ〉冗談言わないで、1人で待つなんて事出来るわけないじゃない。
誰かが、エイミの肩をたたいた。
〈エイミ〉止めてよ。サイラス、そんな肩のたたき方幽霊見たいじゃ無い。
〈サイラス〉何を言っているでごさるか?
何も拙者、してないでごさるよ。
〈エイミ〉えぉ、ま、まさか、えっ
〈男の幽霊〉こんにちは、アルドさん
話は聞いてますよ。
〈エイミ〉ひ、ひぃ~で、でどで出た〜
〈男幽霊〉そ、そんな大きな声出さないで下さい。この辺りの幽霊は、臆病なんですから。
〈サイラス〉幽霊が臆病でとか、あるのてごさるか?
〈男の幽霊〉それは、そもそも、人間だったりしますので、それに妖魔かたくさんあますし、ここの幽霊は、こそこそが当たり前なんですよ。
アルドさん、おばばから、連絡は受けてい
ます。先生の所に案内します。
〈アルド〉あぁ、お願いするよ。
〈フィーネ〉ねぇ、お兄ちゃん、幽霊さんの背中に御札が付いてる。
〈アルド〉本当だ、幽霊さんこの御札ってなんだ?
〈男の幽霊〉はっ!それは、剥がさないで下さい。色々と大変なんで
〈アルド〉あぁ、解った。
〈フィーネ〉気になるな〜
〈エイミ〉ひぃ、な、なんで、あんた達平気なの?
〈アルド〉いゃ、そりゃなれだよ。
〈サイラス〉そうでござるよ。煉獄界にも行った事がある。平気でごさろう?人とは、いずれ死んでしまうもの。
しかる時が来ればしかる場所に行くでござる。
〈エイミ〉よ、良く言うわよ。私は何時までもなれる事は無いわよ。
〈フィーネ〉でも、不思議だよね。私達もいずれ、こうなっちゃうんですよね。
〈アルド〉あぁ、そうなんだろうな。イルルゥと冒険してると、イヤと言うほど解るよ。オススメはしないけど。
〈イルルゥ〉呼んだ?
〈アルド〉わぁ、い、いたのか
〈イルルゥ〉いるよ〜。面白い魂が居る所に、私は何処でもいるよ。
〈アルド〉はぁ、ちゃんと仕事は、してあるのかイルルゥ。
〈イルルゥ〉もちろん、してるよ。
〈ツキハ〉私も来ました。私の手を使う事があるかも知れ無い。
刀とは、私達にとって、魂同然の相棒ですから顛末が気になりまして。
〈アルド〉ありがとう。助かるよ
アルド達は、話をしながら、荒れ寺の奥の隠し部屋に案内された。
〈札の男〉おお、来たか。おばばから通信札で連絡を受けてるよ。
〈アルド〉すごいな、御札で、通信出来るんだな。
〈エイミ〉電話ね。この時代にも、こんな連絡方法かあったのね。
〈札の男〉俺は、御札を使って生活してるからね。で、205枚の御札がいるんだろ?
その札には、ある妖魔の血がいるんだ。
その血で、札を書きながら、呪術をかける。
呪の上書きをするんだ。
イメージ的には、刀の呪を強い呪の鎖で縛るイメージかな。
んで、おばばにその状態で、具現化してもらって、キミ達が退治して、その刀の一生を終わらせられるはずだよ。
〈アルド〉ありがとう。で、その妖魔は何処にいるんだ?
〈札の男〉まほら湖にいるソウカクの血をたくさん集めて来てほしい。
容器をわたすから、5つ満タンにして来てくれ。
1体で1ついっぱいになると思うから、5体討伐願いだ。
〈アルド〉あぁ、解った。行って来るよ。
〈サイラス〉血抜きは、拙者に任せるでござる。鹿をさばくのは得意でござるし、まぁ、フィーネ殿もいるし大丈夫でござろう。
〈フィーネ〉ちょちょっと怖いかな、生きた動物を捌くのは、でも出来るよ。
〈アルド〉じいちゃんと俺と、フィーネで狩りに出て夕食にしたりしてたからな。
〈サイラス〉これは頼もしいでござる。
アルド達は、まほろ湖へ向かった。
アルド達は、問題無く、血を集める事が出来た。
〈サイラス〉アルド殿、中々の腕前でござる。フィーネ殿も、手際が良い。改めて驚いたでごさる。
〈アルド〉だろ
〈エイミ〉良い肉ね。ステーキにして、私が焼いてあげるわ。
こんがり美味しく仕上げてあげる。
〈フィーネ〉私も手伝う。
〈アルド〉じゃぁ、飯食ってから、血をわたしに行こうか。
〈サイラス〉そうでござるな。その肉を御札の男にも、持って行くでござる。205枚もの御札を作ってもらうわけでござるしな。
〈フィーネ〉それ、いいね。パンも焼いて、ソウカク肉サンドイッチにする。
〈アルド〉それは、美味しそうだな
〈フィーネ〉ちゃんと、お兄ちゃんにも作って上げます。
〈アルド〉ありがとう
〈エイミ〉相変わらず仲が良いわね。
そうね〜、私が激辛にして上げましょうか?
ふふふ
〈アルド〉普通の味付けで頼むよ。エイミ。
〈エイミ〉ちぇ、て事で、フィーネ私達のもお願いね。
〈フィーネ〉はーい
〈サイラス〉さて、飯でござるな。
アルド達は、ご飯を食べ、荒れ寺に向かった。
〈御札の男〉ようやく帰って来たか。
それで血は取れたか?
〈アルド〉あぁ取れたよ。それで、この血で
御札を作ってくれる御礼に、ソウカク肉サンドイッチを作ったんだ。受け取ってくれると、嬉しい。
〈御札の男〉ありがとう。ソウカクの肉か、
良く調理出来たな。硬い鱗に覆われていただろう。
〈アルド〉そこは、オレの仲間に得意なヤツが多いから、大丈夫だよ。
〈御札の男〉そうか、じゃぁ、頂くよ。
うわ。うん、これ、うん。はぁ~、う、うまいな。
〈フィーネ〉良かった〜。少し心配だったの。
口に、あってよかった。
ふふ
〈サイラス〉こちらが、ソウカクの血でござる。
〈御札の男〉これは良いな。たっぷり入れてくれてるし、良し頑張るかな。出来るまで少しかかるし、その間温泉にでも入って来たらどうだ?
そのままここに来たんだろ?
〈アルド〉じゃぁ、そうさせてもらうよ。
アルド達は、まほろばの湯に向かった。
〈ニャン次郎〉はぁ~、良い湯じゃ〜
〈アルド〉ニャン次郎も来てたのか。
〈ニャン次郎〉アルド、うまく行っているようで何より。
あの呪が、ばらまかれると猫神神社もボロボロになるじゃろうし、何としても、問題解決してほしい。
ワシが、助けらる事が少ないのは、悔しいが、よろしく頼む。
〈アルド〉解った。頑張るよニャン次郎。
刀の相談に来たのは、オレだし
〈サイラス〉拙者達に任せるでござる。そろそろ、拙者は上がるでござる。
〈アルド〉じゃぁ、俺も出ようかな。フィーネ達も待ってるだろうし
〈ニャン次郎〉すまんが、頼んだぞ、アルド
〈エイミ〉ようやく、汗と汚れを落とせたわ
。これで、お肌もツルツルよ。
〈フィーネ〉良いお湯だったね。
エイミは、拳と蹴りの練習?お風呂上がりの柔軟をしている様だ。
〈アルド〉エイミ、元気だな。やり過ぎじゃ無いか?
〈エイミ〉な、何よ。ちょ、ちょっと気合入れてるだけよ。
〈アルド〉怖いんだろうな。
〈エイミ〉何か言った?
〈アルド〉いや、何でも無い。さぁ荒れ寺に帰るぞ。イルルゥ、ツキハ、いるか?行くぞ。
〈イルルゥ〉は〜い。
〈ツキハ〉はい。ここは、いつ来ても良いですね。さぁ、行きましょ。
アルドたちは、荒れ寺に帰った。
〈御札の男〉おぉ、来たか。かなり力作が出来たよ。
サンドイッチのおかげで、かなりやる気が出たよ。サンドイッチはまた、作って来てほしいね。
〈アルド〉流石だな。もう出来たんだな。サンドイッチを気に入ってくれて良かったよ。
〈御札の男〉おうよ。これで、商売してるからな。お金もしっかり払ってもらうが、こんかいは、安くしとくよ。
〈サイラス〉チャッカリしてるでござる。
〈エイミ〉そこは、大切よ。私や父さんも、安くはするけど、もらう物は、もらうわよ。
そうしないと、生きてけないのよ。
〈アルド〉ははっ、それは、確かに、じゃぁ、お金は、ここに置いてくよ。確認してくれ。
〈御札の男〉こんなにも、良いのか?
〈アルド〉良いさ、値段は、おばばから聞いてたし、まほろ湖で、色々素材が集まって、売れそうだしね。
〈御札の男〉そうか、また困った事があれば、よろしく頼むよ。アルド
〈アルド〉あぁ、その時は頼むよ。
アルド達は、御札の男に別れを告げ、猫神神社へおばばに会いに行く。
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