第13話 お噂だけで満腹
「今日の
「意外性はないですね」
「中学のとき兄の納豆嫌いを克服させてやろうと思ってなあ。オレが目の前で
「ジョークですよね?」
放課後の呼び出しに、なぜか
渡り廊下を経由し生徒会棟へ入る。なんと一棟まるごとが生徒会の所管らしい。放課後も始まったばかりというのに、あちこちを『生徒会執行部』と腕章をした生徒たちが忙しそうに走り回っている。まるで祭りの前の慌ただしさだ。
もはや生徒会というよりも会社か秘密組織のようである。
「実はわたしまだ生徒会長を見たことないんですよね」
「おいおい、月一は必ず生徒集会あんだろうが。あんな目立つ人どうやったら把握せずに
「あ~、朝練のあとなので、いつも寝てたら終わってるんですよね。入学式は欠席してたし。どんな人なんですか? 女性ってことしか知らなくって」
「
「ああ、だからあんなコネ作りたがってったんですね」
納得する。そして
「特にうちの学校じゃあ、生徒会は生徒の
「先輩はアクのほうですね、分かります」
「そのうえ教師陣はわりと放任だろ? 思春期の問題児が二千人も吹き溜まりゃあ、当たり前に問題も起こる。そこに金が絡むから規模もでかくなってなあ。そいつらを調整し解決するのも生徒会のお仕事だ」
「へぇ……」
思えば
「そんなにすごい人だったんですね、生徒会長って」
「おう。現会長はまず実家がでけえ。
「えっ、もう十分では?」
この欲の塊のような男が家柄と総資産以外に重視する部分があるとは。
「
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