第2話

なんてこともなくおやすみ3日目。

「明日からまた仕事か、新入社員も入んないし、来年の4月まではこのままかなぁ」


あの子達、ほんと何処にいってしまったんだろうか。

営業に出かけると、外に出て帰ってこなかった。

その日はやけに天気が良い日だった気もする。なんなら虹が出ていたくらいに。


残されたというか、会社前の駐車場にあの子達が身につけていたであろう、鞄と契約のための書類などが散らばっていたんだから。事件生も考えて警察は動いていたけど結局見つからなかった。


残されたもの達はそれを受け止めることしか出来ないから

毎日のように家族の人たちからの苦情に近い電話。何回も仕事を妨害された。

そのおかげで、1ヶ月あまり会社にお泊まりだ。


家族が悪いわけでも会社が悪いわけでもないが、あの4人を見つけ出したら一発殴ってやりたいと思っている。


「まあ、口に出したところで救われるわけでもないんだけどね」

私は夕飯を作るために、台所の暖簾を潜った。


《おめでとうございます、約100人目の異世界者様!!》


「は?」


《え?あれ?一昨日の方!!え?あれ?》


台所に異世界来ちゃったよ。





「あ、どうも」

《い、いえ》


気まずい空気が漂った

「ちょっと失礼しますね」

台所近くにかけてあったエプロンを身につけて私は夕飯を作る事にした。

まあ、夕飯を作ってからでもいいだろう。



「で、2回目なんですけど何か用ですか?」

《ほんと2回目とかこちらが聞きたいですわ》


前回は声しか聞かなかったが、

今回は実体があった。

声だけで想像していた部分はあるが


異世界者というものは、髪の色派手だな。

中学生の頃の友人がお勧めだからって貸してくれたライトノベル並みに髪の色派手!

見事なピンク!それに加えて服装!!

へそ出す必要ある??寒くないのかな


《なにか?》

凝視してるのバレた?やばっ


「いや。寒くないのかなーって思いまして」


《寒いわ、めちゃくちゃ寒いわ、でもこれ規則なんだもん。異世界者を迎えるにあたり制服はコレ!髪の色はなるべく派手な色に!》


「魔法とかでなんとかならないんですか?」


《自己負担だけど魔法でなんとかすることはできる。自己負担だけど》


自己負担って言葉を今聞くとは


「なんか、苦労してるんですね。夕食多めに作ったんで、食べて帰ってください。お口に会うかわかりませんが」


《ありがとう、これ好きなのよねー。もう2回目だし初めましてでもないから私のことは、異世界科派遣団員【まなか】とでも呼んでちょうだい。多分だけど貴方選ばれてるみたいだし3回目もあると思うから》


【まなか】さんという人は炒飯をモリモリと完食して 暖簾を潜り帰っていった。



「多分だけど、選ばれているかぁ面倒な事にならないといいけれど」




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四角な三角 とまと @Jinoon

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