epilogue
やっぱり私達には、カメラのレンズ越しくらいの距離感が丁度良かったんだ。
そんなちょっと格好つけたセリフを思い浮かべながら、清々しい朝の道を歩いていく。それとは正反対のドロドロとした感情を抱きながら。
だけど涙が流れ落ちてしまえば、不思議と気持ちは軽くなっていた。
わずかに涼しさを増してそよぐ秋風が、何処と無く卒業の季節を思い出させる。
あの日、あの美しい出来事の中で蓋をしたまま置き去りになっていた思いが、穏やかな音を奏でて溢れ出ていく。
サラサラと。
レンズの向こう 蒼唯 AoiYui @yu1_129
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