第3話 キリト、夢、師匠

夕方まで光魔法と闇魔法で飛ぶために練習をして過ごした。

ママと姉ちゃんは夕飯の準備中なのでボクは楽しみに待っていた。

まだ時間あるから、飛ぶためのイメージをしよう、鳥は翼を、蝶は羽を動かして飛んでいる。ボクも大きな羽があれば良いのかな?


「ユウキただいま、遊んでたのかい?」


鳥の様に両手をパタパタしてイメージしていたら、遊んでいると思われた。


「おかえりパパ!これは飛ぶための練習なんだよ」


黒い髪に黒い服だから、夕方だとちょっと怖い、手には魔獣のイノシシを持っている。

きっと今日のメインディッシュだ。


「そうかそうか、今日あったことはご飯の時にゆっくり聞かせてくれ、俺はこいつを料理するから、しばらくしたら帰ってくるんだよ」


「うん!分かったー」


ーーーーー


「「「ユウキ、5歳の誕生日おめでとう!」」」

「ありがとう!パパ、ママ、ユイ姉ちゃん」


ボクの前には大きなケーキが置かれロウソクが5本立っている。


「さぁ、いただきましょう」


ケーキ、イノシシの香草焼き、オムライス、野菜スープ、煮物、サラダ

沢山食べ物があってどれから食べようか迷うなー


「そうか、ユウキは光と闇に適性があったのか、なら学校への入学条件はクリアだな、無については俺も分からないな、魔法研究所に今度聞いてみるよ」


パパも知らないんだ、適性5だし変な魔法だと嫌だな。


「それより、パパからの誕生日プレゼントはこれだ」


パパは木剣を取り出した。


「剣だ!やったー」


持ってみると結構重い。


「芯に鉄が入っていて、本物の剣に近い重さとバランスになっているんだ。剣術大会用の公式な剣だよ」


「9月に剣術大会がある。あと4ヶ月くらいしかないがユウキが出場するのは5歳ルーキーの部だから気楽にやればいいさ」


「あなたったら、まだ剣を教えてもいないのに、ユイちゃんみたいに魔法大会でも良いのよ」


「ううん、ボクは剣術がやりたいから頑張るよ」


これで明日からは剣を習える、楽しみだな!


ーーーーー


今日は色々あったな。ベッドに入りながら今日の事を振り返る。

綺麗な花畑行って、誕生日プレゼントもらって、魔法を教えてもらって、ご馳走食べて、楽しい誕生日だった。

目を閉じて眠りについた、


…と思ったのだけど、気付くと今日行った花畑に立っていた。


「あれ?ボクはベッドで寝なかったっけ?」


寝ぼけて歩いて来ちゃったのかな?


「大丈夫です、あなたはきちんと眠っていますよ」


目の前には女の人が立っていた。長い銀髪が地面まで伸びている。そして角が2本生えている。


「誰?」


「私はクロービス、あなたの夢にお邪魔しました」


「夢に?ここは夢の中なの?」


「そうですよ、あなたとお話がしたくて来ました」


クロービスは綺麗なお辞儀をした。


「そうなんだ、頭の角は何?」


「あぁ私は竜族なのですよ、まぁ少し長生きなだけで大したことありませんよ」


「そうなんだ、じゃあ、なんで裸なの?」


「これは、お風呂に入っていたからですよ」


たしかに花畑にバスタブが置いてある…まぁ夢だから良いか。


「早く服着ないと風邪引くよ」


「私はいつも全裸だから大丈夫ですよ?」


「変態さんだー!ボクの夢に変態さんが来たー!」


「冗談ですよ、ほらもう服を着てるでしょ?」


いつの間に着たのか、ローブを身に付けていた。


「さて、そろそろ本題に入りますね。今日懐かしい気配を感じたんですよ。あなた今日魔法を使いましたね?」


「うん、初めて魔法の練習をしたよ」


「なにか変わったことはありましたか?」


「変わったこと?うーん…あっ!魔法適性に無って言うのが出たよ」


「無?そうですか、そうですか、ついに名前まで無くなりましたか」


クロービスは納得したようにうなずいている。


「実は無は、昔は夢属性として知られていたのですが、誰も適性が無くなり存在も消えてしまったのでしょう、現在の適性者はユウキ、あなたと私だけですね」


そうなんだ、今まではクロービスだけだったんだ。


「折角の適性者なので、私の夢幻流をユウキに教えてあげたいのです!」


こうしてボクに師匠が出来ました。










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ユウキ転生 @omuraisu9

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