第2話 魔法、適性、呪文

「さて、じゃあいよいよユウキの魔法デビューね」


家に戻るとママがわくわく顔で言う。ボク以上に楽しみみたい。


「さて魔法は、火、水、風、土、光、闇の6属性あり、剣技も対応して、

豪炎流ごうえんりゅう

激滝流げきろうりゅう

嵐旋流らんせんりゅう

金剛流こんごうりゅう

天明流てんめいりゅう

深淵流しんえんりゅうの6流派あるわ、基本的には適性と同じ流派に入るのよ」


「まずは魔法適性を確認しましょう、この石板に手を置いて魔力を流してね」


「ママー魔力はどうやって使うの?」


「簡単ですよユウキ、バーと溜めて、ガーと出せば良いのです」


「ユイ姉ちゃん分かんないよ」


「ユイちゃんは天才肌なのよね」


「じゃあ、石板に手を置いて、ママの言葉を繰り返してね」


「精霊達よ、我の力を示せ、魔力開放」


石板が光り文字が浮かんできた。


火1、水1、風1、土1、光5、闇5、無5


「光と闇が5で他は1ずいぶん偏ったわねそれに…無?」


「無って何?」


適性が偏ったことより無が気になる。


「無属性?いえ属性とは言わないわね…私も知らないわ」


「ママでも知らないんだ、パパは知ってるかな?」


「そうね、パパが帰ってきたら聞いて見ましょう」


「とにかく凄いですねユウキ!光と闇2属性も5があるなんて!」


他はともかく、光魔法と闇魔法は沢山使えるようになるから良いかな。


「でも、風適性が1だからユイ姉ちゃんみたいに空飛べないね」


「そうですね、残念です、お空の散歩は気持ちいいのですが」


「空が飛べないとは限らないわよ、風とは違う方法で飛べば良いのよ」


「ママ本当!ボク飛べるの?」


「沢山練習しましょうね、まずはそれぞれの基礎魔法からやってみましょう」


「魔法の発動には基本的に呪文が必要なの、ただし適性5なら無くても使えるようになるわ」


呪文は属性と効果の組み合わせである。

【火の精霊よ、集いて、留まれ、火球かきゅう

【水の精霊よ、集いて、留まれ、水球すいきゅう

ただの火や水を出すだけなら適性1で誰でも出来る。もちろん適性が高ければ大きな火球になる。

より攻撃的な魔法

【火の精霊よ、集いて、貫け、火弾ひだん

適性によって広範囲、高威力、応用力が増す。


「【火の精霊よ、集いて、留まれ、火球かきゅう】」


手のひらに火球が浮かび上がる、ビー玉くらいの小さい火だ。


「うんうん、良いわよ、そのまま3分維持してね」


一通りの魔法を使ってから、六種類を3分維持した。光と闇は簡単だったけど他はキツいな、適性って大切なんだな。


「本当はこのあと、魔法を維持したままランニングして、剣の稽古、魔法応用訓練するのよ」


「えーそんなにー!」


「頑張ればユイちゃんみたいに出来るわよ」


空を見上げると

ユイ姉ちゃんは、風球を7つ体の周りで回転させながら、空中でピタリと静止している。

球の大きさも姉ちゃんの顔より大きい、

なにあれ凄い、神秘的な光景だ。

あらためて姉ちゃんは天才なんだと思う。


「今日はユウキの誕生日だから、本格的な訓練は明日からね、あとは興味深々だった光と闇属性での飛びかたを説明するわね」


「まず光魔法は空間を掴むことが出来るの、空中に足場を作ったり、遠くを掴むことでそこに向かって移動出来るわ」


「闇魔法は重力を変化出来るの、反重力で自分を軽くすれば浮けるわ」


空間?重力?…ちょっと何言ってるか分からないけど、難しいことは分かった。


「ママが実際に出来れば見せてあげられたのだけど、ユウキならきっと出来るわよ」


頑張るけど、飛べるようになるのは、まだまだ先になるみたい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る