ユウキ転生
@omuraisu9
第1話 ボクは、ここで、生きる
ボクは自分の人生を一生懸命に生きた。
後悔しないように、毎日全力で生きた。
けど、諦めた事も多かった。もし生まれ変わったら、もっともっと色々な事をやりたいな。
◇◆◇◆
ボクの名前はユウキ、今日で5歳になる。ボクには生まれる前の記憶が少しだけある。
自分をボクと呼んでいた事、
長い長い旅をしていた事、
そして最後は満たされて旅を終えた事。
前世のボクらしいけど、一生懸命に生きた凄い人だと思う。ボクも一生懸命に生きたいと思った。
◇◆◇◆
「おはようユウキー朝ご飯できたよー」
部屋のドアが空いて姉ちゃんが入ってきた
「ふぁあ~い」
まだ眠いけどご飯は食べたいから頑張って起きる。
「ユイ姉ちゃんおはよう」
「ユウキはお寝坊さんですね、学校行くようになったら毎日大変ですよ?」
2才上のユイ姉ちゃん、黒い綺麗な髪、黒いまん丸な瞳のお人形さんみたいに可愛い自慢の姉ちゃんだ。
「毎日ユイ姉ちゃんに起こしてもらうから大丈夫だよ」
「もう、そんなこと言って」
ほっぺたを膨らませて怒る姉ちゃんも可愛い!
「さぁ朝ご飯食べに行きますよ」
「うん!」
手を繋いで部屋を出る。
「ユウキおはよう、ちゃんと起きれたのね」
階段を下りて食堂の扉を開けるとママが食卓に料理を並べていた。青くキラキラした髪はとても素敵で羨ましい。
「うん!ママのご飯は世界一美味しいから頑張って起きたよ!」
「ありがとうユウキ、さぁユイも食べましょう」
「うん、いただきまーす」
食卓には美味しそうなオムレツの乗ったお皿が3つある、
「あれ、パパの分は?」
「パパはもう食べて森に行ったわよ、今日はユウキの誕生日だからご馳走を獲ってくる張り切って出ていったわ」
「ほんと!楽しみだなー」
パパは王国騎士団の団長さんで、とても強くて、とても優しいパパ、みんなからは黒のキリトとか、黒の死神とか色々呼ばれている。二つ名ボクも欲しいな。
「ボクも早く剣習いたいな、魔法も使いたいなー」
「5歳になったら教えてあげる約束だったから、これからはどんどん教えてあげるわよ」
「うん、いっぱい練習して、ユイ姉ちゃんみたいに風魔法で空を飛んでみたいな」
「わたしもユウキと空を飛ぶの楽しみにしてますね」
「さあ、食べ終わったら、今日はみんなでお出掛けするから準備してね」
「「はーい」」
準備を整えて家を出ると、連れてこられたのは30分くらい歩いた所にある洞窟だった。
「ママ、今日はここに入って良いの?」
ここは危ないから入らないように注意されていた洞窟だったはずだ。
「ユウキが5歳になったら連れてくるつもりだったからいいのよ」
「わたしも入るのは初めてです」
中に入ると通路はきちんと整備されていた。真っ直ぐに伸びていて扉がつけられている。
「ここはママたちの大切な秘密の場所よ」
ママが扉を開けるとそこには大きな木と花畑が広がっていた。
「わー!凄いキレイ!」
「こんなキレイな場所があったんですね!」
ユイ姉ちゃんが興奮して飛んで行ってしまった。
あれ?初めて来たはずなのに、不思議と知っている気がする?嬉しいけど悲しい気持ち、変なの。
「さあ、ユウキこっちよ」
ママが木の根本まで手を引いてくれる。そこには黒い剣が刺さっており、ロザリオが掛けられていた。剣の前で両手を組んでお祈りした。
「……キ、守ってあげてね」
ロザリオを取るとボクに掛けてくれた。
「誕生日プレゼントよ」
「いいの?大切な物なんじゃないの?」
「えぇ、とても大切だからユウキにあげるのよ」
「ありがとうママ、大切にするよ」
「ママー!ただいまです!」
ユイ姉ちゃんが空から降りてきた。
「あっユウキロザリオもらったのですね!良く似合ってますよ」
「ありがとうユイ姉ちゃん!」
「では、わたしからはこれをあげますね!」
ユイ姉ちゃんは赤いリボンを取り出してボクにつけてくれた。
「可愛いですよ、ユウキも女の子なんですから、少しくらいお洒落しないとですよ」
「うん、ガンバるよー」
こうしてプレゼントを貰い、不思議な花畑を後にした。
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