第58話 そして再び何度も押し倒されるJK

 その夜、かおりは密かにある道場に呼び出された


「よく来たわね」


 出迎えたのは・・・安藤先輩。

 白い道着に、黒い袴。


「な・・なんの用事なの?」

「今後、貴方の相手をしてあげられそうもないので最後に手合わせしてあげようと思ったの」


 かおりは・・できれば遠慮したいと思ったが、安藤先輩の真剣なまなざしに押されてしまい断れなかった。


 仕方なく、柔道着に着替える。



 互いに礼をする、かおりと安藤先輩。

 そして、かおりは間合いを詰めて安藤先輩の袖を取った・・・


 ダァン!!


「やっぱりまだまだね」


 ダアァァン!!


 相変わらず、かおりは安藤先輩にいいように投げられる。

 かおりが組んだと思っても、雲をつかむように手ごたえが無い・・と思った瞬間に投げられるのだ。


 ダアン!


 かおりは・・・何とか対抗しようとする。

 この間、英一に教わったように軸を意識する。

 組んでいる安藤先輩の軸をとらえ、力を加えようとすると・・・


 ダアン!!


 また投げられた。


 安藤先輩の軸に対して力を加えようとした瞬間・・・その軸が回転しながら移動したのだ。

 そのため、かおりの力は空をきる様に流され、バランスを崩し投げられてしまった。



 軸が移動する・・・?



「もう一回!」


 ダアアアン!!!!


 まただ。

 やはり、力を込めた瞬間に軸・・・重心が移動する。

 

 かおりは、今度はできるだけ力を抜いて組んでみた。


「へえ・・わかって来たみたいね。でも、これならどう?」


 今度は、安藤先輩がかおりを押してきた。

 思わず力が入ってしまう。


 ダアアアン!!!!


 また投げられてしまった。

 だが、かおりは何かをつかんだ気がしていた。

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社畜の俺は今夜もJKに押し倒される 三枝 優 @7487sakuya

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