&α
「全身がいたい」
「そりゃあ、傷だらけですから」
「きんにくつう」
「なんなの一体。檻から脱走したライオンと牛さんをひとりで捕獲なんて」
「つよいでしょ、俺」
「ぜんぜん腕とか筋肉質じゃないのに。不思議」
「瞬発力を極めると筋肉が邪魔になるんだよ。そして持ち上げないで。きんにくつうがいたいんですけど」
「ねえ。しんじゃったかと思ったんですけど」
「いや返り血だから。さすがにライオンと牛が相手だったんで、向こうの前足ぐらいは折らないと闘いきれません」
「血みどろで、ほんとに心配したのに」
「ごめんて。どうしても、君のごはん食べたくてさ」
「わたしの?」
「うん。ここで倒れたら病院送りでしばらく逢えないなって思って」
「お見舞いというのは考えなかったんですか?」
「すんません」
「はい。お口あけてください。りんごねじこみますよお」
「んむ」
しゃりしゃりという音。
「どうですか?」
「マイルド」
マイルドな味付け 春嵐 @aiot3110
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます