ネタは出し惜しみする? 大放出する?

※今回もファイナルファンタジー16の重大なネタバレを容赦なく含みます。ご注意下さい。

 

 FF16は壮年期まで進みました。物語的には中盤くらいでしょうか?

 と言うのも、ストーリー的には最初からクライマックスなくらいの急展開の連続で、レベルや召喚獣の集まり具合、プレイ時間などのメタ情報から何となく推測するしかなく、終わりが想像出来ません。

 前回挙げたように、敵国の奇襲と謎の召喚獣イフリートの襲来による母国滅亡から始まり、

 

 ・暗殺対象が幼馴染みのジルだと気付いたので、部隊を裏切って彼女を連れ出す

 ・敵幹部ベネディクタ(美女)と初遭遇・撃破・力の暴走の末に死亡

 ・敵幹部(美女)を姐さんと呼ぶ強そうな男(舎弟or実弟?)が、そこら辺の野盗に殺される

 ・仇として追っていたイフリートのドミナントがクライヴ本人だった

 ・弟のジョシュアが実は生きていて何らかの目的で暗躍しているらしい

 ・クライヴが己を克服し、イフリートの力を正式に得る

 

 少なくとも、ここら辺が消化された辺りでもまだ序盤だと思われます。

 プレイ時間にして10時間にも満たないくらいです。

 冒頭のジルに関しては、プレイヤー目線からは一目で彼女の成長した姿だとわかるくらいの(容姿の記憶が新しいうちに)再登場でしたし、敵幹部(美女)なんかは、他のゲームだともう少し引っ張れる美味しいキャラをしている筈ですが。

 最初の敗北により主人公をますます因縁が増して行き、数度の再戦を重ね、終盤辺りで満を持して敗死したり和解したり……と言うのを当たり前に想像していたので、あまりにもあっさり死亡して軽く唖然となりました。

 更に、彼女の側近らしい男も見るからに手練れの戦士であり、随所に忠誠心を感じさせる行動からも、これからその背景が語られるのだろう……と思っていた矢先、野盗が不意打ちで投げてきた斧が当たってあっさり絶命すると言う無常さです。

 

 また、仇であるイフリート(火の魔神)を追ううち、まさに“火”のドミナントの力を持つ謎の人物が登場。

 それこそがイフリートのドミナントに違いない! として追い掛けるクライヴですが、先述の通り、イフリートのドミナントはクライヴ自身だった、と言うが判明します。

 そして、仇=自分と言う事実があまりに衝撃的過ぎて見落としそうになるのですが、

「じゃあ、今まで追い掛けていた火のドミナントは一体何者なんだ?」と言う新たな疑問が浮かびます。(“火”が二人現れたのは何らかのイレギュラーによるものであり、本来のドミナントは一代&一属性につき一人ずつしか現れない)

 そして、弟が実は生きていた、と言う別な真実への布石となっているのです。

 仇の正体と弟の生存、これらが判明するタイミングにもう少し間が空いていたら、それほど驚きは無かったと思います。

 ある大きな真実に気を取られているタイミングで、更に大きな伏線を間髪入れずに突き付けられたからこその、驚きと納得でしょう。


 私自身も最近「満を持して明かされる真実!」と言うネタを考えた時、しかし、果たしてそれは必ずしもクライマックスまで出し惜しみするべきものなのだろうか? と疑ってみるようになりました。

 その昔、何処かの指南サイトで「こう書くと楽だな、と思ったらそれを捨てろ」とあったのを、何となく覚えていたのもあります。

 渾身のネタを早期に投入すると言う事は、それを上回る大きなネタ=“衝撃の真実”を事を意味します。

 もしも、最初の渾身のネタをクライマックスまで引っ張ってしまった場合、もう少し考え抜けばより大きなインパクトを与えられた筈のチャンスを逃す事かなと思います。

 

 さて、今回の話は結構な日数、下書き状態だったのですが、この段落を書いている時点でバハムート戦後まで進んでしまいました。

 毎シリーズ最強格の召喚獣であるバハムートを手に入れたとなると、いよいよ後半に入ったと思って良いかなと思いますが。

 今作では、イフリートに顕現したクライヴを操作し、映画ゴジラさながらのスケールで敵召喚獣と戦う場面もあるのですが。

 まず、自機であるイフリート自体が目算20メートルはあろうかと言う巨体であり、それと同格の相手とガチンコするわけですから、まさに桁違いの迫力となります。

 ついでに、普段二桁とか三桁のHPを削りあっているようなゲームバランスなのですが、召喚獣同士の戦いでは1万、10万のダメージが湯水のごとく乱発されます。

 それだけでも充分すぎる迫力なのですが、正直な所の戦いが繰り返されていては、いずれ飽きた事でしょう。

 しかし、タイタン戦から更なるスケールアップを見せ付けられます。

 最初の時点でイフリートをふた回り(うろ覚えですが)上回る体躯ですが、追い詰められてクリスタルを喰らってテコ入れをはかった結果、文字通り「山のような」大きさにまで成長してしまいます。

 また、その次に相対したバハムートはバハムートで、これもクリスタルの力を取り込んでテコ入れされた結果(クライヴの方は弟のフェニックスとドッキングした結果)双方とも宇宙までぶっ飛んで戦う所まで行ってしまいました。

 まだ敵召喚獣にはオーディンと、ラスボスが残っている筈ですが、バハムート戦以上の戦いとなると、この先どうなってしまうのやら。

 

 勿論、大きければ良いと言う訳でもありませんが、今のアイディアが本当に“最大限”なのか。

 もっと大風呂敷がないか、一考する癖を付けて損はないと思います。

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