「食糧枯渇時代」へのセルフツッコミ
20XX年、世界から食糧の大半が消えた。
……と言うのが、私が近頃始めたVRMMOものの大前提となる世界観設定です。
シリーズの第1話と言うか第0話として、必ずこの話が入ります。(※1)
https://kakuyomu.jp/works/16817330652568484264/episodes/16817330652568685538
1000文字程度ですが、読むのが面倒な方向けに説明すると、
この食糧危機に対し、無味無臭の代替栄養源が開発され、食糧問題は解決したものの、食文化が滅びた現実世界で精神に異常をきたす人が続出。
そこでリアルな五感の再現に成功していたVR技術に白羽の矢が立ち、中流層以下の移住計画が発足。
代替栄養源を摂取しつつ、VR世界で架空の食事を摂る事によって問題の解決とした。
やがて、VR民も暇過ぎてまた精神やられる人が出てきたし、それなら仕事しろ、と言うことで無数のMMOゲームがそれを担うようになった。
……以上となっております。
さて。
特にSFに造詣の深い人からすれば片腹痛いレベルの設定かと思われます。
残念ながら、私の現状の知識で本編へ導入しようと思った時、このレベルが関の山ではありました。
大体想像はついているとは思いますが、私が今回書きたいものの主眼は「様々なVRゲームのプレイ」であって「食糧の尽きた未来世界」では無いため、現実世界のディテールを重要視していないからです。(※2)
今回の当該ジャンルへの挑戦にあたっては、人物達がVRゲームを真剣にプレイする動機付けが意外と難しいものだと思わされました。
ソードアート・オンラインのようにアバターの死=プレイヤー自身の死とするのが最も理にかなっているのでしょうが、そうすると私がこのシリーズでやりたい表現がかなり制限されてしまいます。
そこでたどり着いたのが、死闘の次に命懸けとなるであろう事柄“仕事”や“生活”でした。
そして、その根拠として、先の食糧枯渇危機を設定した次第です。
さて、サブタイトルにあるセルフツッコミをしていきます。
まず、これだけ世界規模の資源問題であるにも関わらず“食べ物”だけがピンポイントでダメージを受けている事。
分かりやすい所では牛。
食糧が枯渇したと言う事は肉が採れなくなったのでしょうが、それは皮も同じである筈です。
また、例えば2023年現在で“食べ物”と認識されているかどうか、と、可食物であるかどうかは別問題である筈です。
分かりやすいところで言えば、虫を食べるわけにはいかなかったのか? と言う事です。
勿論、ここで言う虫とは、害虫とされているものも含みます。
人類全体が餓死するくらいなら、手を出す筈です。
このあたりも門外漢なので、栄養効率がどれくらいなのかは分かりませんが……。
例えはまた牛に戻りますが、食肉としての彼らが枯渇してしまった状況とは何なのか?(※3)
もしも牛や豚が全て滅びてしまったとするなら、問題は恐らく人類の餓死に留まらない筈です。
牛の牧草となる植物までも絶滅したと言うのであれば尚更です。
そもそも野菜や果物はどうしたのか? とも言えます。
こうした“生態系”とは、人間が食えるかどうかのみならず、様々な地球環境に影響し合っている筈です。
それにも関わらず、人類は食べ物以外の文明は平和に営んでいる事になるのです。
また、自然物に依存しない代替栄養源シルバーゼリーを発明出来たのであれば、味付けも同じように完全な人工物から作れなかったのか? などなど。
(とは言え、味とは食感や香り、そして見た目などが複雑に関わり合って成立している面もあるので、シルバーゼリーに対して単純な人工甘味料のような味付けをしただけでは、遅かれ早かれ精神がやられる気はしますが)
ここまで深く突っ込まれる程のアクセスが今後あるのかはわかりませんが、一応「わかった上でそこは妥協していますよ」と言う意思表示として今回のコラムとさせて頂きます。
せっかく作品一本思い付いたのに、細部で苦手分野が絡むからと言って諦めるのも勿体無い話です。
本当に書きたい部分が何であるか、それが細かい舞台設定に無いのであれば、ある程度はいい加減でも良いのではと思います。
(※1)
シリーズ中のどのタイトルからでも読めるようにしたかったので、一語一句同じ0話目が必ず入るようになっています。
(※2)
とは言え、現実世界での情勢が人物達の行動に全く影響していないかと言うと、これもノーです。
経済的な中流層や下流層として(あるいは何らかの事情によって)VR世界に移住せざるを得なかった事による人格形成も、しばしばテーマのひとつとして挙がっています。
ただし、作中で主人公達が現実の世界情勢に関わる事は一切無いでしょう。
あくまでもコンセプトは「ゲームのプレイ」にあるので。
(※3)
厳密には、作中、全く食糧が消えたわけではありません。
地方の小金持ち程度であれば、本物の食糧をそれなりにコンスタントに入手出来ると言う記述が一作目のヒャッハースローライフにあります。
そうなると、滅びてもいないのに何故、金持ちにしか行き渡らないくらい食べ物が無いのか、と言う更に複雑な疑問に発展しそうですが。
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