年齢的な立ち位置でキャラが180度変わる事例

 近況ノートでも書きましたが(と言うより完結後に創作論を書くための備忘録だったのですが)

 先日のVRMMO・若手とシニア~においては、エタった過去作のネタを一部リファインしております。(※1)

 

 具体的には、今作でのMALIAマリア=過去作でのテレサ・バーンズがそれに当たるのですが。

 魔法が栄えた世界で地属性(土行)だけが存在しない。

 しかし、主要人物の一人が、何故か地属性を使える。

 彼女はどうやら、何らかの正体を隠してパーティに同行しているらしい……。

 

 と言う部分です。

 過去作では現実リアルに何らかの組織or一族の使命で動いていたのが、今作ではVRゲームの運営AIに選ばれた程度と言う重みの差異こそありますが。

 こう書くと興醒めされそうですが、単体の“キャラクター”として、ほぼそのままの流用になっています。

 まず、両者の共通点を挙げていきます。

 

・その世界に存在しない筈の地属性(土行)使い、魔法の作動法(トリガーアクション)も同じ(※2)

・主武装は、任意で出し入れ可能な大鎌(体格差のハンデを武器の重さで埋める為と言う、武器選定の理由も同じ)

・読者目線から、明らかに何らかの組織に従って暗躍しているのがバレバレである

・誰に対しても敬語、一見して育ちが良さそうだが親しみやすい距離感

・温厚、温和

・マイペース、天然系

・喜怒哀楽のうち、怒が皆無で哀もほとんど見せない

・若さに対して不釣り合いな戦闘力、練度

・平時は博愛主義だが、実戦では敵に容赦が無い

・年齢のも同じくらい(※3)

・フェミニンに振り切った見た目、センス

・料理が得意

 

 ……細かい所まで探せばまだまだありそうですが、ベタ移植とすら言えるレベルで同じです。

 しかし、書いた私自身でも軽く驚きだったのですが、パーティ内での立ち位置が180度と言って良いレベルで対照的でした。

 以下は、両者の相違点です。()内が今回のMALIAマリアの特徴になります。

 

・パーティ最年長のお姉さんキャラ(最年少の年下系キャラ)

・時折見せる大人の振る舞いで、頭の固い男主人公や、気弱なもう一人のヒロインをリードする(未熟な面を主人公達にフォローされる事が多い)

・隊長である男主人公にほとんど意見せずに追随する立場(中盤から、真相を知る者として他の仲間達を先導する立場)

・感傷的な描写が皆無(時折、迷いや喜怒哀楽の“哀”を微かながら見せる)

・真面目すぎる男主人公に対し、程よく柔軟な考え方を提示する(ゲーム内のセオリーに左右されない、主人公達の姿勢に教えられる)


 23歳の女性とは、18の人からすれば「大人のお姉さん」ですが、50過ぎの人からすれば「娘ほどの若者」に映ります。

 もっと近付けて25歳の人から見ても「妹のような」年下になるでしょう。

 例え、その25歳の人が子供じみていて、23歳の人が落ち着き払った性格であっても「大人びた年下」に見えるものです。

 当然ですが、パーティ内での年齢的な立場が原因かと思われますが、第三者目線でここまで別人に映るのは予想外でした。

 

 過去作のテレサが10代の頃も、こんな風だったのかも知れないと思いながら書いていました。

 人物を違う話で流用してみると、双方のかつての姿・未来の姿がイメージ出来て、面白い発見になったと思います。

 今回の私の場合は若干特殊な状況でしたし、自作品への拘り次第では、おいそれと出来る手法ではありませんが、今回の経験は参考までに書き残しておこうと思います。


(※1)

 なろうの方で今も公開している作品です。第二部の途中でエタっているので積極的には勧められませんし、私の中で最も文章のくどい時期の作品なので、読むのに疲れると思います。

(※2)

 身体のどこかが地属性(土行属性)の物体に触れた“接地”状態でなければ魔法が使えない。

(※3)

 何故、こんな回りくどい表現かと言うと、今作での主要人物の年齢は、敢えてぼかしてあるからです。

 我々の時代に居たとするなら、少なくとも20は越えているのでしょうが、社会の条理が根底から違うので10代かも知れませんし、ともすれば30かも知れません。

 ちなみに過去作のテレサは物語開始時点で23歳と明言しており、私の中のMALIAマリアも大体それくらいです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る