VRMMOものを書き終えて
例によって、連載の為に創作論をお休みしておりましたが、つい先日、完結いたしました。
「世紀末ヒャッハー・スローライフ? ~VRMMO制度の世界を淡々と生きる男~」
https://kakuyomu.jp/works/16817330650997620808
ちなみに、副題っぽい「VRMMO制度の~」の方がメインタイトルであり、今後機会があれば色んなゲームでシリーズ化していきます。
今回、初のVRMMOものの挑戦となるにあたり、まず意識したのは「戦いの舞台がVR空間である必然性」でした。
異世界転生・転移にも言える事なのですが、人物・作者・読者のいずれもVR(異世界)に慣れてしまうと、ジャンルそのものが変わってしまいます。
そして、VR(異世界)ならではの要素を維持するのは結構難しいものでした。
そんな中で、巷では物笑いにされてそうな“スポーン(あるいはポップ)”と言う要素はかなり有用に感じました。
VR空間では、まず“資源”と言う制約がありません。
今回の作品では、まず、弾倉に弾が直接
そして、弾無制限と言う事は、弾切れをしなくなる事以外にも、
また、例えば牛乳を手に入れたい場合。
今回の作品は世紀末の野盗となるゲームだったので、農夫のNPCと、その手持ちのアイテムとしてスポーンした牛乳を奪う、と言うのが最も手っ取り早い方法となります。
ともすれば、チーズやヨーグルトのような加工品を持っているNPCも、無から生成される事もあるでしょう。
あらゆる物や生産者の“ルーツ”を飛ばして、アイテムと言う“結果”のみを運営の随意に配置できるのは、VR空間ならではと言えるでしょう。
また、プレイヤーの行動の選択肢が、現実のそれと同じであると言う事は、ゲーム側が用意したアイテムやスキルを、どのようにでも応用出来る事を意味します。
例えば、我々のプレイするテレビゲームで、ハサミと言うアイテムを手に入れた場合。
大抵は、何かを切る用途にしか使えない事でしょう。
ゲームによっては「紙を切る」イベントにしか使えない場合もあると思います。
2DのRPGなのか、3Dのオープンワールドなのか、ゲームの仕様にも左右されるとは思いますが、現実ほど自由な使い方は出来ないでしょう。
しかし、現実のハサミは、必ずしも物を切るだけではありません。
ハサミに充分な重さがあれば、ペーパーウエイトの代わりにする事も出来ます。
棚の隙間に落ちた小物を引っ張り出すのに使う事もあるかも知れません。
前置きが長くなりましたが、ゲーム側の用意したスキルやアイテムも、同じように、どのようにでも使えると言う事です。
今回の作品では、本来戦闘の役に立たなかった生産スキルを応用してスナイパーの観測手の代わりになるアイテムやライフルのパーツを作って自身がスナイパーとなる=戦闘要員になる、と言う使い方が出来ました。
逆に、現実世界で何らかの心得があれば、スキル取得を省ける、アドバンテージにもなります。
例えば、現実で空手の有段者であるなら、ゲーム内の格闘スキルを取らなくて良くなるかも知れません。
ゲームバランスにもよりますが、少なくとも「現実で出来る範囲の空手」と言う強みはそのまま何らかの形で活きる筈です。
そして、同じ主人公に全く違う世界を経験させられるのが、大きな特長と感じました。
今回の世紀末スローライフは、名前の通り核戦争後の近未来が舞台でしたが、それ以前にプレイした、全く違う世界観(ファンタジーなどの)ゲームの経験を活かす事も出来る筈です。
銃が使えないような場面を、ファンタジー世界で培った剣術によって切り抜ける、などなど。
“死”の扱いも重要です。
ソードアート・オンラインのように、アバターが死ねば現実の本人も死亡するのか、それとも、私が今回書いた世紀末スローライフのように、死んでも復活するのか。
前者は、スリルはありますが、やはり現実で戦う場合との差違を書き分けるのに一工夫いる事でしょう。
ゲームで死んでも復活する設定の場合、戦いの勝ち負けが死活問題では無くなるため、スポーツものに近い「死者の出ない真剣勝負」と言う色合いが強くなる場合が多そうです。
ただ、現実と区別の付かないレベルのVR空間で死亡や殺害を経験した場合、人の精神にどんな影響を与えるかは現状、未知数です。
また、デーモンやクトゥルフ神話の旧支配者と言った存在と戦った経験もしかり。
恐らく、それらが存在しない現実世界での感覚から解離してしまい、社会復帰が困難になってしまう気がします。
(※1)
ただし、リロードによる“間”が無いと言う事は放熱もされず、銃の耐久性によくないのでは? と言う素人考えはちらつきましたが、今回は無視しました。
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