異世界転移したらエルデンリング(死にゲー)でした ~自分自身との戦い(物理)~

※今回も若干のネタバレ(あるボスモンスターについて)にご注意ください。

 

 

 物語的には中盤くらい?

 伝説級の魔術も手に入れ、いよいよ戦力も完成してきました。

 

 ある地底都市を進んでると、ボス部屋である事を示す靄がかかっており、それを潜ると遺跡のような広間に出ました。

 ボス部屋の中心あたりに、大きなスライムが一匹ぽつりと居ます。

 あからさまに怪しい配置。

 罠かも知れませんが、敵の出方を見ないと何も始まらないので、取り敢えず“ローレッタの大弓”(長距離狙撃用の魔術)をいつでも撃てるようにスタンバイします。(※1)

 すると、スライムが突然大きく姿を変え、人間の形に変化。

 しかも、こちらが用意していたのと同じ、ローレッタの大弓を出し抜けに撃ってきました。

 超反応CPUを相手に遠距離で撃ち合うだけ不利と判断。

 取り敢えず距離を詰めてみます。

 すると、今度はハイマの砲弾(着弾点で広範囲を爆破する魔術)を投げてきました。

 辛くもこれを回避するも、若干の困惑。

 知っているのですが、この魔法は大勢の敵を一度に爆撃する為のものであって、正面で動き回っている単体の敵を撃墜するには不向きな性能をしています。

 基本的にプレイヤー一人だけを相手にする想定であろうボスモンスターが、何の為にこんなものを持たされているのか。

 などと考えると、しまいには“彗星アズール”の極太ビームが飛んできました。

 先程言及した、私が最近手に入れた伝説の魔術です。

 ここで、流石におかしいと気づきます。

 この彗星アズール、(物語の設定上)現存する使い手は自分しか居ない筈。

 ……と、敵が彗星アズールと言う大技を放った直後の隙に、その名前を確認する余裕が生まれました。

 “写し見の雫”と言うそうです。

 また、それまで、遠目で俊敏に動き回っていていたので目視出来なかったのですが、どうもこちらと全く同じ服を着ている模様。

 要するに、こちらと同じ装備と能力のコピー……と言うコンセプトのボスだったようです。 

 結果から言えば、囮の召喚モンスターを仕向けてリンチの末にこれを下しました。(※2)

 一対一で戦った方がゲーム的にも創作的にも得るものがあったかも? と、今にして思えば勿体無く思います。

 

 ドッペルゲンガーだとかクローンだとか、自分を完全にコピーした相手と戦うと言うシチュエーションは古くから散見されますが、これにどう打ち勝つか(納得の行く書き方が出来るか)と言うのはかなり難しいかと思われます。

 さしあたり解法としては、

 

 ・一品ものの聖剣など、コピー出来ない戦力の差で勝利する

 ・経験や勘など、生身の技量差で勝利する

 

 あたりがポピュラーな所でしょうか。

 例えば今回、私が召喚モンスターを仕向けたやり方などは、コピー出来ない戦力を利用して有利になったパターンでしょう。

 もし召喚モンスターを使っていなかったなら、生身の技量差で勝利した事になっていたのでしょうか。

 しかしいずれにせよ、さしあたり思い付く程度の答えであり、使い古されているかと思われます。

 欲を言えば、もう一捻り欲しいところかも知れません。

 

 ……そもそもクローンだのドッペルゲンガーに襲撃されるようなシチュエーションは、そうそう無いとは思いますが。

 ただ、主人公最強などで安直な表現にならないようにするには、こうした“同キャラ対戦”をやってみるのも手かも知れません。

 ステータスやスキルが完全イーブンな戦いで勝つには、と言う思考が、その人物の地力の強さを考えるきっかけになりそうです。

 無詠唱で街一つが更地になるチート魔法の使い手!

 と言う人物を考えたのなら、全く同じ能力のドッペルゲンガーを彼(彼女)にぶつけて見るのです。

 重ね重ね言いますが、そもそも同キャラ対戦などと言う状況自体が結構レアなので、作中で機会が無い場合は頭の中でシミュレートするだけでも意義はありそうです。

 

 ちなみにエルデンリングのコピーモンスター“写し見の雫”ですが、この直後の宝箱から召喚モンスターとして手に入ります。

 この場合、召喚した主=プレイヤーの能力がコピーされるので「自分が二人になる」と言う、なかなかに強力な戦力となってくれます。

 ただやはり、結局はCPU操作なので、プレイヤー本人ほど効率良く動いて貰うのは難しかったりします。

(事もあろうに、主人公が携帯していた茹でエビを敵前でひたすら貪り食うと言う場合もあったそうです)

 コピーが有効に動いてくれるように、コピー元である自分の装備や魔法を調整する攻略法すらあるそうです。

 結果、自分が遠距離攻撃を主体とするなら、写し見の雫には近接武器や近接魔法を持たせたり、

 回復魔法や補助バフ魔法を持たせて援護させるなど「自分をコピーした結果、自分がやらない事の穴を埋めさせる」場合が多いと言うのが面白い所です。

 もし小説で分身の術を書く事でもあれば、参考になるかも知れません?


(※1)

 余談ですが、道中にも同タイプのスライムが沢山いて兵士に変身する能力を持っていたようですが、片っ端からこのローレッタの大弓で瞬殺していた為に変身する所を見ていなかった=ボスのスライムが変身する事に気付くのが遅れました。

 相手の性質を知る前にやっつけてしまうのも、考えものと言う教訓でした。

 

(※2)

 正確には、ボス部屋入室直後に召喚していました。相手のコンセプトが先にわかっていれば、呼ばなかったかも知れません。

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