異世界に転移したらエルデンリング(死にゲー)でした ~人間の怖さと人外の怖さ~
エルデンリングでは、敵対NPC(=主人公と同じ人間タイプの敵)が度々襲って来ます。(※1)
はじめこそ、遭遇=死 と言う有り様でしたが、
近頃、こうした人間タイプの敵対NPCと戦っても安定して勝てるようになってきました。
過去作のソウルシリーズでは、こうした人間タイプの敵が苦手で、スルー可能な相手は全て戦わず逃げて来ました。
相手が人間タイプだと言うだけで、戦う前から既に心が折れてしまって、反撃しようと言う気概すら湧きませんでした。
理由としては性能がプレイヤーキャラと同等である事にあると考えます。
お互いのフィジカルが対等な場合、純粋なプレイヤースキルの勝負になってしまうため「逆転の要素が無い」と言う現実が実感出来てしまう。
力が拮抗しているからこそ、勝てない相手と言うものがわかってしまうと言う事です。
そして萎縮してしまい、逃走する事で頭が一杯になる。これでは、勝つ事などまず不可能です。
今回、魔術師に鞍替えした事で、対人間タイプの立ち回り方も身に付きました。
プレイヤースキルの勝負とは言え、相手は所詮コンピュータ。自分の中でパターンが確立出来れば、逃げずに立ち向かう余裕も出てきます。(※2)
私は現在、オンラインではやっていないのですが、もしプレイヤー同士の対戦になると、やっぱり逃げ腰になってボコされる事と思われます。
これが巨大な悪魔や魔獣、ゴーレム等であれば、むしろ自分(プレイヤーキャラ)と程遠い存在過ぎて、力量差がボヤける気がします。
確かに自分の何倍も身体の大きな相手と言うのも迫力はありますが、彼我の格差に、人間を相手にする時ほどの“生々しさ”がありません。
戦ってみないと、驚異の質や程度がわからないのです。
それが却って、積極的に攻める気概を削がずに済んでいたのでしょう。
現実と違って、このシリーズは何度死んでも同じ相手に挑めるので、場合によっては力量差がわかってきて心が折れてしまう事はあるかも知れませんが。
とにかく、この事はホラーの怖さの“種類”に通じる所もあるかも知れません。
ゴジラやゾンビのようなモンスターによる恐怖とは、空想上の“未知の驚異”にあります。
一方でサイコサスペンスや、サメ・熊などの動物パニックによる恐怖とは、実在しかねない“既知の驚異”にあります。
明日は我が身に感じられるのは、既知の驚異の方でしょう。
しかし、どちらが上でどちらが下かと言うものでもありません。
何だかんだで、ゲームのゴーレムやドラゴンは、どれだけ対格差があろうと基本的にはダメージを与えられる前提で出来ています。
しかしリアルにゴジラが出た場合、少なくとも個人単位では対抗する術が無いでしょう。
それならまだ、武術を極めたフル装備の殺人鬼が出て来た方がマシではあります。
ともあれ、襲って来るものの種類や属性によって、恐怖の質が変わると言う事。
明日は我が身と言う当事者意識と生物的な格差と言うのは、時に反比例する事もある。
ドラゴン等の未知の驚異は天井知らずに強くなり、殺人鬼等の既知の驚異は、常識の範囲内で主役を脅かさねばならない。
だから“元人間の半モンスター”などという存在も、属性的には未知の驚異に近いのかも知れません。
あるいは「勝たねばならない」相手とはドラゴン等の未知の驚異であり、「負けてはならない」相手とは殺人鬼やサメ等の実在しかねない驚異とも言えるのかも知れません。
とにかく、作者としては、作った驚異が本来の狙いから外れないようには気を付けたい所です。
(※1)
性能もほとんどがプレイヤーと同等で、装備を揃えればコスプレ再現可能なNPCも多いです。(むしろ、名ありNPCを倒した戦利品で、相手の装備一式が手に入る事も)
(※2)
例えば、敵対NPCの中には光弾の魔法を超反応で回避してくる相手も多いのですが、敢えて発射の遅い魔法を撃つ事で回避を迎撃するなどが出来ます。
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