異世界に転移したらエルデンリング(死にゲー)でした ~魔法の流派・宗派~
順調に、エルデンリングでスローライフならぬファストライフ(生き急ぐ)を送っている今日この頃ですが。
三階建ての建物ほどの背丈はあろうかと言うゴーレムだとか、何か金ピカでヤバそうなオーラを纏う騎士だとか、魔法学院の祖ともされる偉大な魔術師だとか……色んな厳しい人々に
近況ノートでも軽く触れましたが、このゲームの魔法には流派や宗派と言うものが沢山あります。
このシリーズの魔法自体、大別して魔術と祈祷(僧侶の魔法)に分かれています。
この二種はパワーソースが魔力か信仰心かの違いがあり、どれだけ魔力の強い魔術師でも、信仰が無ければ祈祷を満足に使う事は出来ません。
今回のエルデンリングでは、更に各分野が流派で枝分かれしている設定です。
とりあえず、それを並べていきます。
伝達性を優先して、一部、固有名詞を省いたりしています。
また、一つ一つの詳細も省略します。
名前の字面から何となく雰囲気は察せられるとも思うので。
【魔術】
・輝石魔術
・王家の剣魔術
・夜の魔術
・溶岩の魔術
・雪魔女の魔術
・結晶人の魔術
・重力の魔術
・泥人の魔術
・咎人の異端魔術
・死に仕える者の魔術
【祈祷】
・二本指信仰
・黄金樹信仰
・古い黄金樹信仰
・黄金律原理主義
・古竜信仰
・火の巨人、火の僧兵
・神肌の信徒
・獣の司祭
・血の君主
・腐敗に仕える者の祈祷
・狂える三本指
・
……と言う具合に、結構な数です。
勿論、流派ごとの特色が、魔法のラインナップに出ています。
エネルギー弾を扱う輝石魔術、魔法の剣を生み出して武術と組み合わせる王家の魔術、火炎信仰は勿論、火の力を行使するものばかりです。
そして、夜の魔術は輝石魔術からの分派であるらしく、エネルギー弾を撃つと言う点では同じであり、各魔法の挙動も酷似しています。
ただこちらは暗殺を想定しており、輝石と比べると威力で劣るものの弾速に優れていたり、弾丸自体が見づらくなっていたり、敵の背後を襲うような軌道だったりと、奇襲に特化しています。
また、同じ輝石魔術の中でも更に学派が存在し、魔法の
「○○(教授)の教室では最も難しい術」
等と書かれている場合があります。
同じ“エネルギー弾”を撃つ魔法体系でも、収束して威力を極めるのか、拡散・追尾性能を高めて確実に当てに行くのか、連射性を高めて弾幕を張るのか……学派によってそれぞれの特長が出ています。
しかし、プレイヤー視点から、これら流派の違いによる制約はありません。
輝石魔術内の学派にこだわる必要もなければ、溶岩の魔術と雪の魔女の術を両立しても良いし、対立関係にある二本指信仰と狂える三本指の奥義を同時に修めることも出来ます。
プレイヤーはただ、魔法書を手に入れて魔力なり信仰心を満たせば、問題なくあらゆる術を使いこなせます。
派閥ごとに技術を独占しているわけでもないので、そうしたしがらみに、習得の邪魔をされる事もありません。
そもそも、この世界は滅びかけており、人自体がほとんど居らず、主人公は廃墟や魔物から魔法書を拾うだけです。
現実なら、どれだけ頭が良くても勝手の違う分野を学習する困難さが付きまといますが、このゲームでは知力と言うステータスさえ満たしていれば違うジャンルの上位魔法をすんなりマスター出来ます。
恐らく、ゲーム的に育成の自由度を損ねない為なのでしょう。
せいぜいが武器に「○○派の魔術の威力を高める」と言うボーナスがたまに見られる程度です。
よほどロールプレイにこだわりがない限り、各流派から使いたいものだけをつまみ食いするような形になりがちでは無いかと思われます。
事実、私が今使っている魔術も見事に流派・学派がバラバラです。
これもある意味では「生存の為には思想に頓着しない、実利主義」と言うロールプレイになっているかと思います。
信仰心を力とする“祈祷”に至っては、更に空想が捗ります。
まず、文化や風習の違いが魔術以上に顕著です。
最も分かりやすいのが魔法の名称。
“回帰性原理”と言う小難しい魔法もあれば“巨人の火を食らえ”と言う、一見して命名を放棄したのかと思いたくなるものまで。
前者は“黄金律”と言う小難しい概念を追い求める宗派であり、後者は巨人族をルーツとした文献すら存在しないアナログ極まりない秘術といった所でしょうか。
これらはどちらも、各宗派の奥義に近い上位魔法なのですが、スキルスロットにこの二つが並んだら結構シュールな絵面になりそうです。
知力や魔力は鍛えれば強くなりますが、信仰心と言うのは自分の本心に根差している為に誤魔化しようもありません。(ゲーム内ではステータスの一項目に過ぎないので、レベルアップで鍛えられはしますが)
こちらの分野は、そこまで熱心に魔法を集めているわけではないので各宗派の実情を把握しきっていないのですが、
古い黄金樹信仰は、名前からして現黄金樹信仰の元となった宗派だろうと思われます。
また、狂える三本指が、二本指信仰から分裂してダークサイドに堕ちたであろうことも想像できます。
しかし、これら全く主義の違う宗派の術も、要求されるのは“ステータスとしての信仰心”であるので、やはり正反対の教義の極意を同時に習得さる事が可能です。
先に挙げた宗派のうち、
コレと古竜信仰を同時に崇める人と言うのは……ある意味で怨霊を使役する宗派や、腐敗を崇める狂信者よりも怖い気がします。
「おお、天におわせし偉大なる竜よ!」(その竜の心臓をムシャムシャ貪りながら)
となるわけで。
それだけに、こうした矛盾をどう解釈するのかロールプレイしてみるのも面白いでしょう。
大変な語弊はありますが、宗教と言うのはある意味で解釈次第、融通の利きやすい面もあります。
ウガリット神話の豊穣神(嵐と慈雨の神)バアルが、旧約聖書では、かの蝿の王・ベルゼブブに貶められてきた話は有名です。
意図はさておき、旧約聖書の著者たちは、異教の神が存在する事自体は認めているとも取れます。
また、ゲームの話ではありますが、女神転生シリーズにおいて、一般的には悪魔の首魁の代名詞でもある“サタン”が、むしろ神の代行者として扱われている解釈が興味深い所でした。
作中でも、サタンの種族は“大天使”に分類されています。
「完全無欠の神が、反逆者を生み出すようなヘマをするはずがない。人間を誘惑したりしたのも、試練の一環だ」
と言えば、それはそれで、神の肯定とサタンの肯定が矛盾していません。
例えば、先に挙げた正道な“二本指”の信奉者の中には「道を外した三本指もまた、我が神の計らいによって生まれたのだ」と考える人も居るのかも知れません。
その人の“信仰心”とは、二本指と言う“宗派”ではなくダイレクトに“神”そのものへと向いているのでしょう。
さて。
創作界隈において、魔術であれば地水火風+光闇だとか、宗教であれば近代のキリスト教ライクなそれが大半を占める事とは思われます。
しかし、世界の隅々までがそれで統一されているものなのか。
また、同じ属性や宗派の中でも、エルデンリングのように無数に枝分かれをしているのではないか。
“聖女”だとか“女神”だとかも頻出要素ではあります。
しかし、人の首を素手でネジ切るような、ゴリラのような風貌の女性が腕力で国を守護し、後世まで信仰されたなら、それもまた“聖女”なのです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます