追放シーンが先か、戦闘シーンが先か

 非公開で書いている追放ものは、クライマックスまでの道筋は大体定まりました。

 いよいよ書いてて楽しくなってきたので、もう少し話を進めて、執筆が安定したと感じたら公開出来るかもしれません。

 取り敢えず、一話一話に対して悩む時間が、サイコブラックだとか好き勝手に書いていた時の比ではありません。

 その辺の要領を掴めるかどうか、次第でしょうか。

 こう言うのも良くないですが、最悪エタっても資料価値はそれなりにあると思います。

 

 

 さて「物語のスタートダッシュは全力疾走」をモットーとしているのですが(基本的に戦闘シーン・襲撃シーン・殺人事件などのセンセーショナルな事柄からはじまるようにしていますが)

 今回、最初に迷ったのは「どのシーンを冒頭に持ってくるのか?」と言う事でした。

 先述の理屈から言えば、やはり戦闘シーンを最初に持ってくるのがセオリーに思えます。

 自分を追放した相手を後に見返すカタルシスを得るには、まずは、そのパーティでの胸糞悪いエピソードが必要になってきます。

 その論拠として「元居たパーティでの戦いで、鳴かず飛ばずの主人公」を描写するには、実戦を書くのは必須になって来るでしょう。

 しかし。

 追放ものを読む人が、まず見たいのは、果たしてそれなのか? ふと疑問に思いました。

 

 結論、今回は、追放シーンを戦闘より先に持ってきました。

 通常、最もセンセーショナルな要素である筈の戦闘は、恐らく追放シーンと比べた場合二番手に落ちるのでは無いかと思います。

 また、鼻持ちならない連中に追放される、と言う極めてシンプルでわかりやすい事柄と比べると、戦闘というのは案外と理屈っぽい要素でもあります。

 魔法と言う、我々の世界とは条理が異なるものを盛り込むのであれば尚更です。

 戦闘を読んでいる間と言うのは、追放という、本来求めていたシーンがお預けになっていることでもあります。

 何が一番刺激的か、も大事ですが、何を最も見せるべきかの判断も大事である、と言う事をまず勉強出来たと思います。

 

 ちなみに、次に悩んだのは追放シーンのあと「戦闘を先に持ってくるか、追放直後の出奔(新天地への出発に向けた設定の説明)を先に持ってくるか」と言う事でした。

 これに関しては、戦闘が先だと判断しました。

 最初に追放シーンと言う(一応の)“日常”を読ませた後なので、そろそろアクションを挟まないと冗長になると考えました。

 

 なろう系の話題を取り扱う、さるまとめブログにて引用されていた発言が印象的でした。

「追放ものとかのテンプレ小説って、夜に半分眠りながら読み流したいわけよ」

 と言うものです。

 皮肉なのか、本気で言っているのかは定かではありませんが、結構重要な事を言っていると受け取りました。

 お陰で、一行一行に苦心する現在があるわけですが……。

 とにかく、凝ったものを見せる前に、すんなり入れる導入を意識しようと思ったのも、追放シーンを先にした判断材料となりました。

 竜頭蛇尾ならぬ、蛇頭竜尾……も時には大事なのだろうと思います。

 ある程度の所まで読んでしまえば、長かろうが理屈っぽかろうが、読了まで行きたくなりやすいものです。

 途中で読むのをリタイアするのは、それまで読んだ時間を損する事も意味します。

 あくまでも読了したく“なりやすい”に過ぎない点には注意が必要ですが。

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