スキルで逆転はあり得る

 ※今回の話はブラック前職の話題に触れる内容です。人によっては不愉快な内容になる事をご了承下さい。

 と言うか、以前の「リアルざまぁに直面して」で書きそびれた事の補足です。

 

●スキルの需要を真剣に考える事

 私の場合は、前々職での(ブラック前職では業種違いで全く役に立たない)スキルのお陰で、今の職場に転職・スムーズに仕事を習得する事が出来ました。

 ちなみに前々職を辞めたのも、ブラック前職とはまた違った意味で将来性が無かった為で、当時はこの業界に戻ってくる事も二度と無いだろうと考えていました。

 新卒以来のいい加減な就職活動のツケもあり、悪いのは業種ではなく、いい加減に選んだ会社なのだと言う簡単な事にも気付くのが遅れました。

 しかし、ブラック前職で命まで取られそうな状況に立たされ、自分の所持スキルを真剣に棚卸しし、求人と照らし合わせて考え抜きました。

 結果、わりあい大手の系列会社(=コンプライアンスが徹底されている)が人手不足だった所に運良く遭遇出来た次第です。

 

 このように、そのスキルが使えるか否かは、場所(パーティ構成・国の情勢など)によって変化し得ます。

 私は何度か「レアスキル、ピーキーなスキルなどは真っ先に解析されている」として、使い方次第で逆転! と言う事に、わりあい競合的な意見を述べました。

 しかし裏を返せば、解析された結果、それを欲しいと思うお偉いさん・組織の存在をしっかり書ければ、自然な逆転劇は充分あり得ると言う事です。

 運良く都合の良い新天地が舞い込んでくるのでは無く、成り行きでミスマッチな場所に居た主人公が必死に足掻いて新天地を掴み取れば、まず導入で冷笑を買う事は無くなるのではないでしょうか。

 

●周囲の接し方次第なのも確か

 ブラック前職の上司達は、あらゆる言動で私達の意欲を削いでいました。

 仮に正解を選び取った場合でも「当てずっぽうでやるな!」「先人の成功をカンニングするな!」

 と難癖を付けて、成功体験をマメに摘み取っていました。

 信じがたい事に「味方に成功されないよう躍起になる」人種と言うのは存在するものです。

 叩かれて伸びる、自分で考える、と言うのは正しい場合もありますが、巧く叩く人はもちろんそれ一辺倒ではありません。

 叩いたり否定する事には「間違いを正させる」効果しかなく、上の段階にステップアップさせる事には使えません。

 叩くのは緊急停止ボタンのようなものであり、いくら叩き続けても、それで前進したり登ったりは出来ないものです。

 レベルアップをさせるには成功体験を積ませ、基礎を確立させなければなりません。

 この創作論の序盤「型破りなものを作るには」の項でも言いましたが、どこで手を抜いて良いのか・アレンジして良いのかと言う“挑戦”は、基礎がしっかり身に付いていてこそです。

 誉めて伸ばす、と言うのも、ある一面では真理だったりするわけです。

 私も現職で、誉めてくれた人達が居たからこの短期間に相応のレベルアップが出来たし、もっと上を目指そうと判断するタイミングも、大体誉められた時です。

 

 レベルアップの成否に関しては、ある程度は「人のせいにしても構わない」と私は思います。

 念を押しますが、あくまでも「ある程度は」です。

 マイナースキルの主人公が伸び悩んでいるのは、リーダーなどの運用が悪く、それによる失敗を主人公に転嫁してメンバー総出でなじるから。

 追放によって環境が変わり、関わる人間が変わる(主役のスキルを真に理解する人・組織)事で、急激に芽が出る事は何ら不思議ではありません。

 ただ、あくまでも「全部前パーティが悪い」とし過ぎない事も、先に述べた、自分のスキルを真剣に見直して新天地を自力で掴みとる事が大事です。

 

 余談。

 近頃、広告で「ビーストテイマーを役立たずとして追放し、他の同職を雇ったら、実は前任者が常人の10倍モンスターを使役できていた」と言うものを良く見かけますが……このパーティはよくそれまで潰れなかったものだと思います。

 これも、前後の話を直接見ていない身で言及してはいけないのかも知れませんが。

 それまでに他の同職と比較検討しなかったのか?

 検討する必要もない賎業だと侮っていたのなら、何故、性懲りもなくまたビーストテイマーを雇うのか?

 断っておきますが、当該作品への批判の意図はございません。

 これら、元メンバーの無知が、もしかしたら重要な伏線である可能性も大いにありますし。

 

 難しい所ですが、

 ある程度は元パーティのせいにしても良い。

 しかし、その為に元パーティが無能すぎてもいけない。

 やはり、主人公のスキルの重要性が一般にわかりにくく、それを見出だせる人間が非凡な慧眼を持っている……と言うのが無難なのでしょうか。

 一見してどちらもルサンチマンをこじらせているようですが、非常に繊細な違いがありそうです。

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