才能の正体?
才能と言うものについては、未だ諸説あり、完全には解明されていないようです。
あるいは、私の勉強不足で知らないだけなのかもしれませんが……才能については、なかなか手を出しにくい題材でした。
才能は、遺伝的・先天的な要因によって決まるとも言いますし、生育環境や努力のような後天的要因で決まるとも言います。
確かに、容姿や声など、親から子へ明らかにコピーされているものはあります。
ある物事が巧みである特質もまた、脳と言う形而下の働きによる事だと考えると、遺伝的に受け継がれてもよさそうなものです。
しかし現実には、アスリート然り政治家然り、親に遠く及ばなかった二世と言うのは相当数存在します。
ならば、生育環境や後天的な努力なのか?
生育環境については、大いにあるとは思います。仮に生まれついての適正が存在したとしても、親に無理矢理やらされるなどで、その物事が嫌いになってしまっては努力もおぼつきません。
蛇足ですが参考までに、私の場合は得意な事・不得意な事が、親のそれと綺麗に正反対でした。
「あれをしろ、これをするな」と言う干渉は全く受けていないはずです。
ちなみに、容姿・身体的特徴などはそこそこ受け継いでいるので、恐らく実子ではあるのでしょう。
父親がギターを触っているのを見ても何ら惹かれるものがなく……あるいは「物心ついた時からギターが側にあったが故に、楽器への関心が薄れた」と言う可能性はあるかも知れません。
音楽をやっていた友人らは、やはり必死にバイトしたりお小遣いを貯めてようやくギターに出会えるので、入手後の必死さも違うはずですし。
今のところの私見を述べるなら、才能の要因が何であるかは分野によって千差万別なのではないかと考えます。
例えば、かつて別項「素早いとは」でも取り上げましたが、人間の筋肉は遅筋・速筋と言う二種から出来ており、その比率によって持久力が強い(弱い)のか瞬発力が強い(弱い)のかが決まります。
そしてその比率は、後天的には変えられないと言います。
アスリートにとっては、これも才能のうちと言えるでしょう。
背の高さや声質なども、生まれ持った資質です。(バスケや声優に有利)
音楽や数学のような無形のセンスはどうでしょう。正直、この辺りも私の知識では手に余る話なのですが……最初に触れた時の掴みで成功し、文字通り“得意”だと認識したものが得意科目だったりするのでしょうか。
これも、私個人の実体験から来る推測ではあるのですが。
小学校に入りたての頃、算数は引き算の時点で取り残されている感じがして全く伸びず、
逆に「良くわからないけど、何だか国語の点数が良いな?」と気付いたら、知識が滞りなく頭に入って行った事を今でも覚えています。
一方で、努力も才能のうちとは良く言います。
しかし、その「並外れた努力」と言うものの源泉は何処にあるのか。
一説によると、努力に対して脳の報酬系(成功や成長を喜ぶ機能)が活発な人ほど、やはりレベルアップの早さや上がり幅が大きく、結果が出るそうです。
これに関しては置かれた環境にも大きく左右されそうです。
動機が成長・成果の喜びではなく「結果を出さねば命に関わる」と言うような必死なものであっても、努力の天才に追い付き得るのかも知れません。何だかブラック経営者のような物言いになってしまいましたが。
例えば戦争に行く予定の人と、そうでない人が同じ射撃訓練をしたとして、前者の方が成績は良くなりやすいでしょう。
命を守ると言う動機が、嫌でも努力に繋がります。
また、初期では高い適正を見せていたのに急に伸び悩むケースなども、努力に対する報酬系の働きの低下にあるのかも知れません。
私にとっての小説書きが割とそんな感じでした。書き始めさえすれば楽しいのですが。
この点、魔法の才能のような、実在しないものは書きやすそうではあります。
しかし、よくよく考えると“魔力”とは何なのか。
魔力が高いと言うのは、実体を持つエネルギーが身体の中に潤沢にあるのか。
それとも、数学力のような無形の才能なのか。
いずれにせよ、魔法を具現化し、人並外れた成果を出すには「高い魔力」「高位魔法」の一言ではなし得ないでしょう。
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