脱落小説書きのゆるーい創作与太話

レベルアップを体感するには？

　ブラッドボーンを購入してから、はや５日。ろくに進める時間を確保できず、ようやく最初のボスにたどり着いた(そして返り討ちに遭った)所です。

　こんな体たらくでDLC入りの方を買ってしまったんですが、いつ終わるんでしょう。

　それはさておき、このゲームはよく死にます。端から死にゲーと言われるくらい、無慈悲に死にます。

　プレイ開始当初は、そこら辺をユラユラうろつく雑魚敵1、2体にすら瞬殺される有り様でした。

　しかし今では、20体近くの敵が密集する中を、無傷で突っ切る事が出来るようになりました。

　これは自キャラクターのレベル(攻撃力や防御力)が上がったからではありません。

　そもそも、ある程度進まないとレベルアップの機能が使えないので、初期レベルのままです。控え目に言って鬼ですね。

　つまり、キャラクターを操作する私自身がレベルアップした……と言うかゲームに順応したと言う事なのでしょう。よちよち歩きの最弱クリーチャーから逃げ切れるようになっただけで得意になっていては、やり込み勢の方々に叱られそうですが。

　敵が攻撃する時のテンポや間合いを、何度も殺される中で学習した事で「このタイミングなら思い切り踏み込んでも良い・横を通り抜けられる」と言う感覚が身に付くのだと思います。

　死にゲーは、裏を返せば、死ななくなったり勝てるようになった時にこの上なく“成長”を体感できるものなのでしょう。

　依然、3、4発殴られると死んでしまう脆弱さに変わりはありません。そうならないよう、巧く動く技術が身に付いた事によって得られた“余裕”なのです。

　勿論、死んでもやり直しのきくゲームだからこそ大胆な行動に出られるし、敵の行動パターンにも限りはありますが。

　最初は手も足もでなかった強敵を、冷静にいなせるようになる“再戦”と言うシチュエーションは、それが最も表現出来る事でしょう。

　小説でも、新人だった主人公が強敵に一度は敗れるも、それをバネに修行してリベンジを果たすと言う展開は王道です。

　しかしもう一つ贅沢を言うのなら「強敵にもまた、主人公と同じ時間が流れている」と言う事を意識したい所です。

　決まったアルゴリズムで動くゲームの敵キャラならば、そのパターンを予習すればいずれ確実に勝てます。

　しかし敵が生身の存在(小説の敵役)であるなら、主人公を下した時の戦いで経験と学習を得たのは同じである筈です。

　新人とベテランでは、同じ時間を費やしても上がり幅に差はありましょうが、後者には後者の「効果的な見切り方・学習法」が確立されている筈です。

　つまり「この前は負けたが、この新しい必殺技で勝つ！」とは、そうそう行かないと言う事です。

　肝心の必殺技を命中させるまでの牽制の段階で、一度負けているわけですから。

　その格差を瞬間的な駆け引きや機転で覆し、満を持して修業の成果をぶつけてギリギリ勝利……というのが個人的に理想とする再戦のシチュエーションです。

　人物が成長するとは何か、手軽に体感するにはSEOULシリーズやこのブラッドボーンはおすすめです。

　対戦相手のレベルアップまで体感したい場合は、ストリートファイター等の対戦ゲームが良いのでしょうけど……強敵に勝てるようになるまでに、気の遠くなるような時間を費やす事でしょう。