打ち切りエンドと言う方策
昨晩、2年に渡り更新出来ていなかった「陰キャの覚醒(めざ)め」(以下、めざめ)を完結させました。
結末までの構想はあったので、それをダイジェストとして一話(+α数行)にまとめました。
つまりは打ち切りエンドと言う事になります。
ただ、この作品で書きたかった部分は全て書けたと思います。
読む人の目線ではどう映るかがわかりませんが、作者としては、一応完成している構想をむざむざ頭の中に留めたままエタるよりは、納得の行く結果に出来たと思います。
前作「覚醒す」とは、一見して全く違う視点から語られた本作ですが、最後の最後で繋がっており、本作の完成をもって前作にも一つの答えが出るようになっていました。
そうした意味でも完遂出来ていなかったのは心残りが大きく、ようやく肩の荷が降りた心地でもあります。
打ち切りを決めたとしても、自分の糧になるように「面白い打ち切り」を書こう。そして、打ち切りと言うのも一つの“手法”になり得ないかを模索しながら執筆しました。
本作「めざめ」だからこそ、今回のやり方が通用した部分はあります。
話が急に急ぎ足で畳まれる理由付けとしても、死に瀕した主人公の一人称視点だからこそ可能でした(意識が薄れてきた、死ぬ前に急いで全てを話さないと)
また、魔法と言う「思考の実体化」と言う現象に触れ続けた結果、高次元の世界にはあらゆる人々、生き物の意志が残り続けると言う信仰が彼の中で生まれていました。そのため“遺書”とでも言うべき形で、この展開を書くことが出来ました。
具体的なやり方は千差万別、作品の数だけあるのでしょう。
エタっている作品があるのなら、その作品の特色をもう一度吟味し「うまく打ち切りエンドに出来ないか」と検討するのも一つだと思います。
ただ、今回の私が使った打ち切り方は、あくまでも構想自体は頭の中で完成してなければいけません。
続きが思い付かない、と言うタイプのエタり方には有効では無いであろうとは断っておきます。
作品を通して書きたい事があるのに、細部を書けなくなった為に進む事も戻る事も出来ない。
そうした形でエタるより、余程良い結果になったとは思います。
打ち切りと言うとネガティブなイメージを抱く方が大半かと思われますが、これはこれで意図があって用いられている手段でもあります。
つまりは、打ち切りもまた道具と考えると、使ってはならない理はありません。
とは言え、本作のようにシリーズになっている作品で一度でも打ち切りを出してしまえば、次回作以降にもその前例がついて回る事でしょう。
いくら手段の一つとは言え、乱発すれば信用を失うのは避けられません。
私自身は今後、この覚醒シリーズで続編を書くかはわかりません。
しかし、何を書くにしてもエタらないのが一番なのは確かです。
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